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Passive House Insutitute Certified

木下建工新社屋【NHQ1】 NHQ1

所在地長野県佐久市
用途オフィス
建築年2020年
一次エネルギー消費量太陽光発電50KWh/(㎡a)
年間暖房需要26kWh/(㎡a)
年間冷房需要16kWh/(㎡a)
施工木下建工株式会社
設計一級建築士事務所 暮らしと建築舎
PH認定コンサルタント鎌倉 寿

木下建工は橋梁・トンネル・水路等コンクリート構造物再生の調査設計施工という、脱炭素事業を中心とする総合建設・建設コンサルタント会社である。新本社建設にあたり自身のミッション「構造物・建築物の長寿命化を通じ循環型社会を実現する」から着想を得、今後日本における中規模建築物のベンチマークとなるべく、「美しい木造の建物」「事業継続性の高い建物」「省エネで快適に仕事ができる建物」の3要素を、非住宅でもパッシブハウスと同様に考え建てることで低廉な費用で実現した。

2020年11月に移転後、温湿度、CO2濃度、各回路の消費電力を計測。空調はもちろんさまざまなOA機器に加え、冷蔵庫や洗濯機などの家電、事務用の電気自動車の充電分(走行距離 5,500km)まで含み、屋根上太陽光(16.5kW )による発電量の65%のみである。移転後には、これまでと同じ社員が、同じPCを使い、同じ業務をしているにも関わらず二酸化炭素換算排出量が4分の1となった。断熱の強化及び太陽光発電の導入には800万円程度を要したが、それまで年間100万円を超えていた光熱費は電気自動車を含んでマイナス7,000円となった。地方の中小企業がつくったオフィスに、自治体や企業からの視察が相次いでいる。

この超省エネなオフィスをつくるために、木下建工は何も特別な技術を多用したわけではない。土台となったのは、断熱、気密、日射取得という、30年以上前に考え出されたパッシブハウス・メソッドである。この事実は、適切に設計施工すれば同様のことは誰にでもでき、いったん建てれば、長期にわたってランニングコストやCO2排出量を削減することを示している。