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Passive House Insutitute Certified

富士宮パッシブハウス FUJINOMIYA PASSIVE HOUSE

所在地静岡県富士宮市
用途戸建(一般)
建築年2022年
一次エネルギー消費量太陽光発電63KWh/(㎡a)
年間暖房需要9kWh/(㎡a)
年間冷房需要10kWh/(㎡a)
施工空間工房LOHAS
設計空間工房LOHAS
PH認定コンサルタント鎌倉 寿

性能の高い家を熱心に勉強されていたお施主様のパッシブハウスを建てたいというご要望からパッシブハウスを知りました。それ迄は深い軒の出や風通しのいい窓の配置、太陽熱・太陽光の有効利用等のパッシブデザインの家に力を入れてきました。
それが、お施主様のご要望のパッシブハウスを実現するべく、パッシブハウスの講習会やパッシブハウスジャパンの先輩の話の中からパッシブハウスを知っていくにつれ、自然エネルギーを活用するするだけでなく、これからの時代に求められる省エネ性能、健康で快適な持続可能な暮らしを実現する為の明確な判断基準がパッシブハウスにあるということが分かって来ました。
何で日本の家の平均寿命は欧米の家に比べて短いのだろう?
何で日本の家の断熱性能は他の先進国の家に比べてこんなに低いのだろう?
家を建てる際の家の断熱性能、省エネ性能を評価する判断基準が日本の家には無かった、又あってもそれが実は作り手の理由によって、世界基準からすると低い基準にとどまってしまっていたということが大きな原因の一つだと分かって来ました。

一方パッシブハウスの基準はドイツの物理学者が考案しただけあって、設計段階の性能と実際の暮らしの体感の差が少ない。今欧米で建てられている新築の家はパッシブハウス位の性能で無いと建てられない位になっているということを知りました。
高齢化社会で平均寿命が長くなっている中、定年の頃に家の寿命となってしまう家でなく、生涯住めるような長寿命な家がより必要になって来ている。パッシブハウスの基準で家の性能を評価していくのが、今考えられる最善の方法であると、このお宅の設計・施工を進めて行く中で知ることが出来ました。
ただ、パッシブハウスをご希望されていたお施主様が購入された土地は、南側近くにお隣の家がある日射取得としてはパッシブハウスには有利とは言えない敷地でした。南側に離れを確保したい一方で袋小路の奥の北側道路に接道する敷地で、北側に車を縦に駐車せざるを得ず、南側の隣家との離れが充分には取れない不利な状況でした。
このような状況の中でもコンサルティングでサポート頂いた鎌倉寿氏のアドバイスの中、パッシブハウス基準に達することが出来ました。
スマートウインの日本でのライセンス生産の佐藤の窓の高い性能、換気と冷暖房をひとまとめに計画できるZehnder社製「CHM200」(Comfohome)を採用したことも、お施主様の夢のパッシブハウスの実現を後押ししてくれました。
お施主様の熱意やパッシブハウスジャパンの諸先輩のアドバイスに感謝すると共に、今の光熱費増の物価高時代に益々必要となるパッシブハウス基準を自社の家作りでの設計評価の標準として、これからの家作りを考えている方に伝えて行きたいと考えています。

有限会社LOHAS(空間工房LOHAS)
寺﨑幸治