
「日本の家は寒すぎる」日本に来る外国人はよく言います。
でも実は、パリもベルリンもロンドンも、北海道より北にあるのです。
あたたかいはずの日本、なのに家は寒い。そして一方で、夏の家は暑すぎる。
なぜでしょう?その理由は「家の燃費」と「ヤセ我慢」にあったのです。
快適が、
逃げていく家。
快適ってなんでしょう。
寒い冬に家に帰れば、しっとり暖かい。暑い夏に家に帰れば、カラっと涼しい。
そんな快適のために、日本の家では冷暖房が一年中、活躍しています。
ですが実は日本の家、せっかく暖めた冬の室内の熱は、すぐに外に漏れていき、
せっかく冷やした夏の室内には、外の熱気が攻めてくる。そんな構造になっているのです。
それはまるで、お風呂に温かいお湯をせっせと貯めながら、栓を開けっ放しにするようなもの。
実は日本の家、とっても「燃費が悪い」のです。
では、海外の家はどうでしょう。
環境先進国であるドイツやフランス、そしてイギリス。みんな熱の出入りには相当うるさいのです。窓ガラスは二重、もしくは三重、断熱材で厚い壁、屋根、床。それがあたり前。窓の性能は、おとなり中国より低いのが日本の現状。実は世界的に、かなり、遅れをとっているのが、日本の家だったりします。

事故よりコワい、
冬の家。
日本よりずっと寒い欧米では、長い歴史のなか、
寒さに負けない対策が着実にとられてきました。ですが日本はどうでしょう。
「寒ければ着込もう!」「そもそも寒くなんてない!」ガマンを美しいとする文化。
寒さ対策はないがしろにされてきてしまったのです。
「冬は寒い。だからガマン。」本当に、それでいいのでしょうか?
日本では年間1万7000人もの人がヒートショック、つまり冬場のお風呂場やトイレで亡くなっています。
交通事故で亡くなる人より、ずっとずっと多いのです。
「冬は寒い。だからこそ、家のなかは暖かく。」それこそ、これからの家が作る快適なのです。


車のように、家の燃費も良くできるのです。
それはつまり、つかう燃料は最小限に、そしてガマンをしない快適な家。
そのカギは、灯油でも電気でもなく、断熱材にありました。
断熱材こそ、いちばんお得な冷暖房なのです。
冷暖房も
リフォームもいらない。
パッシブハウスは、断熱材や、高性能な窓、熱を逃さない換気システムを導入して、徹底的に熱を逃がさないよう工夫しています。つまり冷暖房を使わなくても、夏は涼しく冬は暖かいのです。さらには結露も出なくなります。
家作りにかかるコストは少し高いですが、灯油代や電気代はこれからどんどん上がりますし、結露によるカビや健康リスクなど見えないコストだって多いもの。月々の光熱費、リフォームや健康のことを考えると、パッシブハウスを選ぶことは、かなり、賢いお金の使いかたなのです。

ごまかさないから、
強い家。
家の燃費がよくないのに、いろんな設備を足してごまかす家が、増えています。
たとえば、一般的に「スマートハウス」といわれている家が、燃費が良いとは限りません。
断熱はそこそこに、設備でしのぐ。
すこし極端ですが、「凍えるハダカに大量のホッカイロ」そんなイメージの家が増えています。
機能性の高いインナーを着れば、使い捨てホッカイロはいりません。
家の中身をしっかりさせれば、快適は長持ちするのです。設備は、いつか壊れてしまいますが、ちゃんと建てられた家は100年持つ。だからパッシブハウスは、”家そのもの”の性能にとことんこだわります。


「ダサい、ケチ」というイメージがついてしまった“エコ”という言葉。
一方、オーガニックなど上質なエコは“ファーストクラス”のようにどこか手の届かない、お金持ち専用のもの、なんだかそんな極端なイメージがついていませんか?
実は“エコ”も“ファーストクラス”も、パッシブハウスなら両立できるのです。
生き方もデザインも、
好きにできる。
エコだから天然素材を使わなければいけないとか、もったいないから節約しようだとか、
パッシブハウスは、デザインやライフスタイルを縛ったりはしません。
どんな工法や、素材や、間取りでも、燃費基準を満たせばアリなのです。
つまり、ここでいうエコは、ダサくもない、ケチ臭くもない、
上質と両立した、まるでファーストクラスのような、エコなのです。
ただし、それは誰にでもできることではありません。
そのためにはパッシブ=自然環境の力を利用する知恵や工夫が必要ですし、
相当豊富な経験も求められます。建築家や大工さんの腕の見せどころです。
パッシブハウスは技術の高い専門家たちが、オーダーメードで一軒一軒を作り上げます。


20世紀までの技術では、叶わなかったことがたくさんあります。
ですが、建築メソッドの発展や、素材や装置の開発で、
住まいのかたちは変わりつつあります。
「自然の力を利用して、少ないエネルギーで、ガマンしない暮らし。」
それが、21世紀、人類が到達したひとつの答え、パッシブハウスなのです。
家は一生の買い物。一生懸命、考えましょう。
地球の欲も、
叶えるために。
パッシブハウスとは、環境先進国ドイツで物理学者ファイスト博士が導き出した、家の省エネ基準です。それは「気候変動を止めるため、これからの家の燃費はこれくらいに抑えないといけない」「そのために必要なエネルギー効率設計はこう」というとても厳しいもの。その基準を満たすには、自然の力を使ったり、さらに建物自体の性能を徹底的に高める必要があります。博士が設立した研究所は、それらのノウハウをオープンにし、今ではヨーロッパを飛び出し各地の気候風土にあわせて進化しながら、世界中で普及しはじめています。
日本だからこそ、
できること。
ヨーロッパでは現在、燃費の悪い家は建てられなくなってきています。
そして日本もいずれそうなることが決まっています。
そのとき、海外の家の建て方をそのまま真似したら良いかというと、そういうことでもありません。高温多湿の日本。気候がまったく違うなか、日本には日本の、欧米には欧米の、家の建てかたがあるのです。パッシブハウス・ジャパンでは、日本の気候風土を存分に利用して燃費を良くする、特別なノウハウがあります。
パッシブハウスとは、つまり。
地球のために、住む人のために、持続可能な家のことです。
以下のポイントを技術で叶え、世界基準の認定をうけた家です。
床も壁も天井も高断熱と高気密。魔法瓶のような家は、冬は暖気を、夏は冷気を逃しません。
高性能な複層窓。
南向きの大きな窓は、冬は太陽熱を取り込む優秀な暖房がわり。
北側の高い窓は、夏の熱気を逃がす道。
景色良好、家を明るく保ちます。
計算されつくした庇(ひさし)。
冬の低い太陽は、庇をくぐり抜けて、家を暖めます。
熱交換換気システム
空気はいつもきれいなのに、熱だけリサイクル。
これで吸気口から冷たい外気が入ってくることもありません。
→燃費がいい、環境にいい、デザインもいい、長持ちする、ハイブリッドな家。
エアコン一台でも家全体が暖かい。
それがパッシブハウスです。
