Q. 予算ってどのくらいなの?
A. プラス15〜20%ですが、工夫次第で削減できます。
15%〜20%のコストアップが相場です。しかし、パッシブハウスは、年間暖房負荷を15kWh/㎡にする、という決まりしかないですから、内装を簡素にすれば安くすることができます。工務店、設計事務所ごとに様々なポリシーがありますので、ぜひ相談してみてください。ドイツでは15年前に+10数%から始まり、今は+5%くらいです。今後は日本でも、少しずつ安くなっていくと思います。
Q. 誰にお願いすればいいの?
A. 省エネ建築診断士にお尋ね下さい。パッシブハウスの建築実績があればベターです。
パッシブハウスは、太陽と風に素直に、オーダーメイドで設計するため、大量に同じ部材を使って収益をあげる大手ハウスメーカーでは、土地や地域によって大きく設計を変更することはできないので、対応は難しいでしょう。 現在、パッシブハウス・ジャパンはパッシブハウスを建てられる仲間を増やしています。こちらのリストでは、省エネ建築診断士が在籍している工務店・設計事務所の一覧を掲載しています。パッシブハウスの建築実績がないところもありますが、省エネ建築診断士というパッシウハウス・ジャパン独自の資格を保有しております。まずはこちらのリストからお近くの相談窓口をお探しください。 また、実績のある工務店・設計事務所をお探しの方は、リスト右にある☆印を参考にしてください。
Q. どんな土地でもいいの?
A. 向き不向きはあります。土地取得の前にまず、ご相談下さい。
狭小でも、南側に高層マンションが建っていても、燃費計算しながら設計するので、基本的にはどんな土地でも建てることができます。しかし、建てるための条件がよい土地、悪い土地は当然ありますので、土地を買う前に相談したほうが良いでしょう。防火規制の厳しい地域では、性能の良い窓が使用できない制約もあります。
Q. 間取りは自由なの?
A. 間取りは自由ですが、コツはあります。
間暖房負荷を15kWh/㎡にする、という決まりしかありませんので、間取りは自由に設計できます。ただ、少ない施工コストと少ないエネルギーで快適にするために、表面積が小さいデザインの方が効率が良かったり、南の太陽を冬はたくさん取り入れられる工夫などを推奨しています。
Q. 経年劣化はあるの?
A. 「パッシブハウスだから」という経年劣化は特にありません
「パッシブハウスだから」という経年劣化は特にありませんが、どんな住宅でも、選ぶ素材や扱い方によって経年劣化はあります。 どんな住宅でも断熱材を入れると、壁の中の水蒸気量を把握する必要がありますので、その点は注意が必要です。
Q. 工期はどのくらいかかるの?
A. 物件ごとに条件が異なるため一概には言えませんので、ご相談下さい。
パッシブハウスは、土地の条件によってオーダーメイドで設計するため、工期もそれぞれで、一概に工期を算出することはできません。 ケースバイケースなので、参考にならないかもしれませんが、スムーズに進行した事例では30-40坪を想定した場合、大手ハウスメーカー4ヶ月、地場工務店4~6ヶ月、建築家と家を作る場合は 1年くらいが目安です。木製サッシの輸入や、断熱不慣れな工務店の場合などは、さらに時間がかかることがあります。
Q. パッシブハウス・ジャパンとはどんな団体ですか?
A. 「日本型超省エネ住宅」の研究と確立、 そして普及を目指す非営利の社団法人です。
日本型“吉田兼好の家”とヨーロッパ型“魔法瓶の家”融合を通じて、日本人の暮らしのクオリティ向上とエネルギー的自立を目指す、非営利型一般社団法人です。事務局は神奈川県鎌倉市にあり、ドイツ・パッシブハウス研究所の国内の正式な窓口として、日本の気候風土に適した高性能な家づくりの情報発信を行っています。現在日本国内の設計事務所や工務店、建材メーカー等を合わせて100社ほどのサポート企業があります。
Q. パッシブソーラー、パッシブデザインとは違うの?
A. パッシブハウスは住まい手のために建物の省エネ性能を数値化して見える化します。
パッシブソーラーを代表とするパッシブデザインは、自然エネルギーである太陽光や風などを最大限活用して冷暖房のためのエネルギーを減らす手法を指しますが、パッシブハウスのシミュレーションソフトはそれらの手法を駆使して達成された省エネ性能を数値化する、物差しと認定制度です。
Q. 高断熱高気密の家は結露がすごいと聞きました。
A. それはなんちゃって高断熱高気密、もしくは中断熱中気密と呼ばれるものです。
「木造において高断熱高気密を図ると、壁の中で結露を起こし、シックハウスの原因になる。」それは大きな誤解です。パッシブハウス・ジャパンの省エネ建築診断士養成講座では、結露のメカニズムを徹底的に解説。住まい手にとって健康で快適な室内環境と各地域の外気温を正しく把握することで、高断熱高気密住宅であっても年間を通じて壁内結露を防ぐことが可能です。建物の気密化は、隙間風を防ぎ、断熱材の性能を最大限に発揮させるため、すなわち冷暖房のエネルギー効率の向上のために、非常に重要です。もちろん、高断熱高気密構造にすることによって、冷暖房が必要な期間がこれまでよりもぐっと短くなる事も、意外と知られていない事実なのです。