Q.

パッシブハウス・ジャパンとはどんな団体ですか?

A.「日本型超省エネ住宅」の研究と確立、 そして普及を目指す非営利の社団法人です。

日本型“吉田兼好の家”とヨーロッパ型“魔法瓶の家”融合を通じて、日本人の暮らしのクオリティ向上とエネルギー的自立を目指す、非営利型一般社団法人です。事務局は神奈川県鎌倉市にあり、ドイツ・パッシブハウス研究所の国内の正式な窓口として、日本の気候風土に適した高性能な家づくりの情報発信を行っています。現在日本国内の設計事務所や工務店、建材メーカー等を合わせて100社ほどのサポート企業があります。

Q.

パッシブソーラー、パッシブデザインとは違うの?

A.パッシブハウスは住まい手のために建物の省エネ性能を数値化して見える化します。

パッシブソーラーを代表とするパッシブデザインは、自然エネルギーである太陽光や風などを最大限活用して冷暖房のためのエネルギーを減らす手法を指しますが、パッシブハウスのシミュレーションソフトはそれらの手法を駆使して達成された省エネ性能を数値化する、物差しと認定制度です。

Q.

高断熱高気密の家は結露がすごいと聞きました。

A.それはなんちゃって高断熱高気密、もしくは中断熱中気密と呼ばれるものです。

「木造において高断熱高気密を図ると、壁の中で結露を起こし、シックハウスの原因になる。」それは大きな誤解です。パッシブハウス・ジャパンの省エネ建築診断士養成講座では、結露のメカニズムを徹底的に解説。住まい手にとって健康で快適な室内環境と各地域の外気温を正しく把握することで、高断熱高気密住宅であっても年間を通じて壁内結露を防ぐことが可能です。建物の気密化は、隙間風を防ぎ、断熱材の性能を最大限に発揮させるため、すなわち冷暖房のエネルギー効率の向上のために、非常に重要です。もちろん、高断熱高気密構造にすることによって、冷暖房が必要な期間がこれまでよりもぐっと短くなる事も、意外と知られていない事実なのです。

Q.

パッシブハウスだと何がいいの?

A.今よりも省エネだけど今よりも快適。それがパッシブハウスの最大のウリ。

パッシブハウスでは、その高い断熱性能のおかげで、6畳用エアコン1台で120平米程度の家丸ごと夏も冬も快適な温度に保つことが出来ます。家丸ごと冷暖房イコール全館暖房とも言える訳ですが、「全館暖房」と聞くと、「日本ではそこまでやる必要がない」とか「かえってエネルギーの無駄になるのでは?」という声をよく聞きます。たしかに次世代省エネ基準レベル(現在国が推奨する省エネレベル)で建てられた家で全館暖房をしてしまうと、断熱性の低い住宅で人がいる部屋だけを暖房した時よりもエネルギーをたくさん消費します。けれども6畳用エアコン1台で全館暖房出来たら、一体どれだけ省エネでしょうか!逆にトイレの暖房便座やホットカーペット、石油ファンヒータなど、複数の熱源を使って冬を凌ぐ暮らしは、我慢している割に全く省エネではないことを知ってください。「エネルギーの使用は極限まで減らしながらも、快適性は決して犠牲にしない」 これこそがパッシブハウスのアプローチが世界中で注目される理由です。

Q.

高断熱高気密の家って息苦しくないのかな?

A.いいえ、今よりも空気がきれいになります。

隙間風だらけの家ではエネルギーはダダ漏れの割には、計画的に換気することが出来ませんでした。建物の気密性能が伴って初めて、汚れた空気を効率的に排気し、新鮮な外気を効率よく供給することが出来るようになりました。窓を開けたくなるような季節には、積極的に窓を開けてください。でも、冷暖房をする時に窓を開けっ放しにする人はいませんね。そんな時でも換気装置が室内の空気を清浄に保ってくれます。

Q.

パッシブハウス基準と次世代省エネ基準の差は?

A.パッシブハウスは日本の次世代省エネルギー基準の5倍以上の暖房エネルギー効率です。

次世代省エネルギー基準はQ値(W/m2K)というモノサシで定義されますが、これは建物の断熱性能を表します。パッシブハウスは日本各地に定められた次世代省エネルギー基準の3倍近い断熱性能を有し、 南の窓からの日射を効率よく取り入れるデザインを奨励するため、驚異的なエネルギー効率を発揮します。これによって、仮に暖房器具を使わなかったとしても、もしくは停電等で外部からのエネルギー供給が途絶えたとしても、冬場の室内温度を16度以上に保てるようになるため、建物の設備依存率が極限まで少なくなるのがパッシブハウスの特徴です。

Q.

PHPPと他社のQ値計算アプリとの違いは?

A.パッシブハウスのシミュレーションツール、PHPPは18年間の実績があります。

ちなみに、ただのQ値計算ソフトではありません。 PHPP(Passive House Planning Package)は1~2年に1回程度のバージョンアップを18年間続けてきました。建物の立地条件、熱が局所的に逃げるヒートブリッジ、窓からの日射取得状況、通風効果を細かく入力していく事で、実際に入居してからのエネルギー消費量(実測値)が設計段階での計算値を裏切らないという嬉しい声が世界中で湧き起っています。当然ながら入力項目は非常に多く、なかなか入力に時間を取れない実務者のために、パッシブハウス・ジャパンでは2011年にPHPPをCADソフトと連動させた“建もの燃費ナビ”を監修、日本市場に送り出しました。最新の建もの燃費ナビには光熱費シミュレーションも搭載されており、実際のランニングコストを住まい手に提案することが可能です。

Q.

パッシブハウスは坪単価で幾らになりますか?

A.パッシブハウスは坪単価で語れません。

これまでの各地での建設事例によると、次世代省エネ基準で計画された建物から10%前後の増額が見込まれる傾向があります。断熱材であればセルロースファイバー、グラスウール、ウレタン発泡など、様々な種類が存在するため、何を使用するかによって増額の割合は変わります。窓に関しても、樹脂製か、木製か、または両者のアルミクラッドタイプなのかによって、価格が大幅に変わります。更には、もともと日射の条件が良い土地なのかどうかによってもこのパーセンテージは変わります。

Q.

パッシブハウスの認定を取得したいのですが?(by 施主)

A.まずはお近くのパッシブハウス・ジャパン支部にお問い合わせください。

パッシブハウスは省エネ建築の設計メソッドであり、より快適で省エネな建築をより高いコストパフォーマンスで実現するためのツールです。予算状況に応じて、ベストバランスをご提示しますので、まずはパッシブハウス以外の要望を全てお聞かせください。

Q.

パッシブハウスの認定を取得したいのですが?(by 実務者)

A.まずは省エネ建築診断士セミナーの受講をお勧めします

基本設計に着手する前に、パッシブハウス・ジャパンのセミナーを受講されることをお勧めします。着工直前に初めて認定のお問い合わせをいただくことが多々ございますが、基本設計段階で太陽と風に素直な設計でパッシブハウスの性能が出るプランニングを行うことが、建設コストを最小限にするためにも大変重要です。なお、パッシブハウスには年間冷暖房負荷の上限以外にも、冷暖房、給湯、換気、照明、調理を含む総一次エネルギー消費量の上限も定められているため、原則(太陽熱温水を取り入れない)オール電化住宅ではパッシブハウス認定の条件をクリアすることは出来ません。