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【ニュースレター 2026 年4月号コラム】脱炭素社会に向けた大きな機会(チャンス)

2026.04.22

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竹内  昌義

パッシブハウス・ジャパン理事
『みかんぐみ』共同代表
エネルギーまちづくり社代表取締役

今日は4月20日、アメリカのトランプ大統領がホルムズ海峡の逆封鎖をし、イランが開放するといって、何日か経ったところである。本日もイスラマバードで協議が行われる予定という。

トランプ大統領に関して言えば、極端な人というよりは毎日言っていることが変わり、いろんな意味で大丈夫なのかなと思うところであるが、彼の一言によって世界が翻弄されているのは事実である。そのトランプは娘婿がユダヤ人でイスラエルのネタニヤフ首相とも近いと言われていて、アメリカがイラン戦闘に巻き込まれたという見方もある。この戦争の大元はどこにあるかというと、第二次世界大戦でのヒトラーの弾圧により行われたユダヤ人に対するホロコーストの歴史とその後のイスラエルの建国、連合国がアラブ人に安息の地を与えるとしたダブルスタンダードが元になっていて、そこから連綿と続くものである。

この状況は日本にも大きく関わっていて、ナフサや原油が入ってこないということで、ユニットバスの受注ができなくなったりと大きな影響を及ぼすことが確定的で、これからとんでもない不景気がやってくると予想されている。そりゃ欠品が相次ぎ、値段が上がり、どんでもないことになりそうだと思われる。日本人にとってはホルムズ海峡は遠い中東の問題であったが、今は喉元にナイフが突きつけられているような状況だ。懸念されるのは住宅の断熱材やユニットバスばかりではなく、医療用の手袋の供給まで危ぶまれる。

そういう状況の中で、世界エネルギー機関(IEA)事務局長ファティ・ビロルは世界的なエネルギーの節約を要請している。一方、我が国の総理大臣は節約を要請すると経済が冷え込むとの考えから、“大丈夫だ、問題ない”と備蓄の話ばかりする。まさに「大本営発表」である。いろんなところで目詰まりが起きていると説明されるが、現場での混乱を抑えようとするのはわかるが、この事態がさらに続けばどうなるかということについての明確な動きはない。

日本でもマスコミは報道しないが、アメリカのトランプに対しての「NO KING!」のデモに呼応するかのように自民党の改憲に対し反対し「高市ヤメロ」のデモが起きている。

ヨーロッパの動きはトランプに対して明確で、国際法に基づかない戦闘の終結を求め、反発を強めている。私が最近この人良いねと思っているのはイタリアの首相はジョルジャ・メロー二である。当初は極右な人と言うイメージであったが(今もそうかもしれないが)アメリカのトランプ大統領のローマ法王への批判に対して、真っ向から反対したり、中東への攻撃に向かう飛行機の離着陸を禁止したり、きちんと主張をしている。

その違いはなんなんだろう。同じ敗戦国、どちらも右寄りな政党に属し、どちらも女性(直接的にはあんまり関係ないとは思うが、、、)みなさんもぜひ考えてみてください。

ちなみに私はどういうスタンスなのか少し表明しておくと、政党の支持とかに関しては結構左寄り、中道左派的ではあり、人権擁護は大事だと思っている。ヨーロッパは移民政策にこの人権的な意識を前提にしたので、移民が増えすぎて大変な目に遭っている。それは修正する必要があると思うが、この出生率の低い日本にとっても、どうやって移民を入れていくか考えなくてはならない。あるいは、少子化をなんとかしないと社会が立ち行かなくなると思っている。安全保障に関しては、今回「憲法9条」のおかげで、派兵が行われなかったのは評価できる。だから、それはそのままで良いのではないか。多少の矛盾はあっても、現状維持が望ましい。一方で、トランプが「助けてくれないなら、日米安保なんていらない」と言い出しかねないので、それなりの準備をする必要があると思っている。日本海側に並んだ原発にドローンが打ち込まれたら、原爆などなくても核の脅威に晒される。ホルムズ海峡に派兵するのとは訳が違う。防衛はする必要があるとは思う。原発が必要だと世論を煽るが、再生可能エネルギーを増やすこととは本来は矛盾しないはずだが、中国製のそれはダメだと言って積極的に進めない。他の中国製品は普通に使うのに太陽光発電だけは別扱いをする。世界の常識とは違う日本独自の変なプロパガンダである。

さて、話題を元に戻そう。先ほどの世界エネルギー機関(IEA)ファティ・ビロル事務局長は、トルコ出身の経済学者で、彼がIEAの事務局長になってから、IEAが変わったと言われている。もともと、世界エネルギー機関はどちらかというと、再生可能エネルギーの普及には消極的であった。ところが、数字のデータをきちんと読み込み、IEAは大きく変わった。世界のエネルギーは2050年までに再生可能エネルギーに移行していくことを予想している。

以下の言葉をご存知だろうか。

「石器時代が終わったのは石がなくなったからではない。青銅器や鉄器という新しい技術が現れたからだ。」

これはサウジアラビア外相のザキ・ヤマニ氏の言葉である。サウジアラビアにいくら石油があったとしての新しい技術が出てくれば、新しい技術に取って変わられるということを示している。

社会が混乱しようがしまいが、「技術は不可逆である。」一度、進んだら戻らない。

石油の時代は、一度は原子力に変わるかと思われたが、その価格や技術の難しさ、事故の影響の大きさを経て、その流れには行かず、建物などの断熱での省エネルギー(パッシブハウス)や太陽光発電などの再生可能エネルギーの普及へと突き進んでいる。PFJの皆さんにとっては当たり前だが、本当にそうなっていくのか、社会の混乱の中では「断熱なんて、もうできない」なんていう論調まであるらしい。

また、今回のエネルギー危機に関して、比較的フラットなプラットフォームで元PHJ理事の飯田哲也さんが明確に発信していたので、ご参考にされたい。

【中嶋聡さんと飯田哲也さんの文藝春秋+での対談】

また、飯田哲也さんの書籍をご紹介しておく。

【EI革命 エネルギー知性学への進化と日本の進路/集英社インターナショナル】

日本が特に遅れているのが、電気自動車とプラグインソーラー+小規模な蓄電池の組み合わせによる太陽光発電の普及とのことだ。筆者も新しもの好きなのでEVに乗っているが、これがすこぶる良い。自宅で充電しているので、電費的にはガソリンの3分の1程度である。

ポータブルな太陽光発電はEcoーFlowの何台か前のモデルを使っている。こちらもコンパクトで大変良い。 大変な時期であるけれど、現在起こっていることは中東の石油に頼らない社会、脱炭素社会に向けた大きな機会(チャンス)であると考えたい。