東京から好きな街の一つである軽井沢への移住を目指す年配ご夫婦の為に「終の棲家」として計画されたジャパニーズモダンスタイルの平屋建て住宅である。「パッシブハウス」「杉無垢材やリサイクル和紙、柿渋塗料など日本らしさの感じられる材料の選定」「介護のやり易さ」などをキーワードにして、生活と環境に配慮された日本らしい住宅となることを目指した。敷地が広い為にプランニングは如何様にも出来たが、無駄に大きくならずにコンパクトな間取りとなるように検討した結果、ダイニングのない特徴的な間取りとなった。また、クライアントの主なご要望の1つであった「介護のやり易さ」を受けて、スロープによる玄関ポーチ、引戸の玄関ドア、上がり框のない玄関など入口までの動線に配慮した。温熱としては、暖房需要の削減を目指して南面開口部を最大限確保しつつ、外付けブラインドを設置して夏の暮らしやすさにも配慮。また、所謂オール電化住宅であるが、レンジフードは屋内循環型を採用して熱損失は更に減少している。クライアントの様々なご希望からは、経験から来る潔さと将来への備えが感じられるが、それらを形にした終の棲家らしい住宅になったと思う。
設計者 | ArchiAtelierMA株式会社 |
施工者 | 軽井沢建築社 |
建設地 | 長野県北佐久郡軽井沢町 |
竣工月 | 2023年3月 |
新築/改修 | 新築 |
延床面積 | 75.48 ㎡ |
実測C値 | 0.1 ㎠/㎡ |
Ua値 | 0.95 W/㎡K |