建物が桜色に染まる。懐かしい記憶の残る小高い丘に終の棲家が出来ました。海外勤務も長かったご夫婦が定年を目前に控えふるさとの地で自身や家族、お母さまがガーデニングや畑を楽しみながら健康で快適に住む為の住宅を建てたいとご相談下さいました。建築のテーマは、ますます熱くなる夏に快適に過ごすために、室温や体感をどのようにコントロールするかという事でした。エアコンなど設備による快適性の向上のほかに、施主のオペレーションでもっと快適に暮らせることは出来ないか?と考え、深い軒やシェードに加え、パーゴラ、タープ、すだれ、内障子を季節に合わせてカスタマイズできるようにしています。夏の日射を和らげる南面の大きな深い軒は、高さを抑え外皮のエネルギー損失を最小限に。後付けのタープを設置できるパーゴラは奥様のアイディア。毎日楽しく庭が眺められると大変喜んでおられます。室内の内障子を開閉すると、熱気や冷気を感じにくく、意匠と温熱の役割を上手く担うことが出来ています。地域の構造材や外壁材を使い、きれいな構造で外皮を最小限に抑えたデザインは、最適なコストバランスに貢献しています。その場所や住み手、地域の人と調和するパッシブハウス。住まう人が住むほどに楽しくなる。そんなパッシブハウスが完成しました。
設計・施工者 | クラモクホームズ株式会社 |
建設地 | 広島県福山市 |
竣工月 | 2023年7月 |
新築/改修 | 新築 |
延床面積 | 130.0㎡ |
実測C値 | 0.12 ㎠/㎡ |
Ua値 | 0.204 W/㎡K |