エントリーゾーン:パッシブハウスゾーン
敷地、パッシブデザイン、家族構成を代表とする何時ものパラメーターでパズルを解いて出来上がった、木とスチールのハイブリッドな飛行機Wood Aerocraftは、パッシブハウス級の外皮強化の先に何があるのか?という長年の問いのひとつの答えになったと思う。冬の暖房需要と夏の冷房需要をどこでバランスさせるのかは、建設地の気候だけでなく設備コンセプトとも無関係では無かった。太陽光発電が芳しくない冬期をドイツではwinter hole「冬の穴ぼこ」と呼ぶ。暖房需要も給湯需要も最大となるこの季節に、蓄電に頼らずにどのようにクリーンエネルギーをマネージメントするのかが課題である。冬の給湯需要に更なるメスを入れる事も、決して諦めるべきではない。太陽熱とバイオマスボイラーを搭載した兄の家が、同じ敷地内に建つ太陽光発電を搭載した弟の家と手を繋いだ時、点が線になる。住宅一棟一棟のエネルギー的自活への努力が、近隣と繋がって地産地消のエネルギー供給網の強化に貢献できる。家という点は、地域という面の原点だ。
設計者 | 森 みわ |
施工者 | 株式会社 夏見工務店 |
建設地 | 滋賀県栗東市 |
竣工月 | 2019年 |
新築/改修 | 新築 |
延床面積 | 134.4㎡ |
実測C値 | 0.08 ㎠/㎡ |
Ua値 | 0.208 W/㎡K |