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ニュースレター 2022年8月号コラム

2022.08.11

高岡文紀

有限会社アーキテクト工房 Pure 代表取締役
PHJ理事
四国支部リーダー

(仮称)南久米パッシブハウス熱橋対策実戦

4月のニュースレターで『6棟目のパッシブハウス認定申請物件に向けて』のコラムを書きましたが、実際に現場も着手し7月末で木工事完了と進んでいます。

断熱構成はPHPPで計算された仕様で断熱施工は完了
気密測定の結果についても特に問題なくクリアーしました。

気密測定C値漏気回数(認定 0.6回以下)
減圧法0.056C㎡/㎡0.15回
加圧法0.150C㎡/㎡0.23回

後は建物が完成し 換気の風量測定を行えば パッシブハウス認定申請の運びとなりますが、
パッシブハウス認定には断熱性能だけでなく、熱橋対策も大きなポイントになります。

前回のコラムでも紹介させて頂いた様に土台廻り他の熱橋対策を実戦してみました。

土台水切り廻り熱橋対策

土台水切り廻りの計画では

実際の施工(外壁EPS湿式仕上げ部)

基礎断熱(パフォームガード)と構造用面材との間に防蟻コーキング;防蟻フォーム
基礎断熱の上にフェノール系断熱材60㎜を上部を斜めに加工し防蟻フォーム+防蟻シールで固定

(白蟻の進入経路に最善の注意を)

フェノール系断熱材にブチルテープ施工後透湿防水シートをスプレー糊で張り付け

本来なら土台水切りを先に取り付けるのですが間に合わなかった為、後施工
土台水切り施工後透湿性のある防水を塗布

カーボン入りEPS(ラムダボード120㎜)を斜めに加工樹脂モルタルを裏面まで施工 
ガラスネット伏せ込み
その後樹脂モルタルにて接着

計画通りの施工が出来ました。

下屋取合い水切り部分

外壁仕上げがEPS湿式工法での施工の場合、壁・屋根との取り合い水切りの個所に熱橋部は出来ます。

土台水切りと土台との間に全く断熱材が無いという事には、屋根勾配がある為にならないかもしれませんが、
熱橋補強を行う事でマイナス要素は少なくなります。

外付ブラインド取付補強部熱橋対策

外壁に外付ブラインド・アウターシェードなど日射遮蔽材を取り付ける箇所には下地補強が必要になりますが
出来るだけ熱橋を少なくする工夫として写真の様な対策をとっています。

(上記写真は別現場)

補強材をT型に組んで取付 その両箇所にEPSを施工し 極力熱橋を少なくし 塗布防水を行う。

職人さんには手間暇かけての作業となりますが 温度差が大きくなる冬には結露のリスクも減りますし パッシブハウス認定に向けては有利に働きますのでしっかりと熱橋対策を考えた家づくりを行ってください。

皆で共有して頂き 他にも良い方法があるようでしたら公表もよろしくお願いします。

次の現場は準防火地域でのパッシブハウスに挑戦となります。
延焼ラインの窓廻りの対策思案中!!