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ニュースレター 2022年4月号コラム

2022.04.13

パッシブハウス・ジャパンでは月に一度ニュースレターを発行しております。

理事のコラムを読むことができる他、セミナー開催や建もの燃費ナビ関連のお知らせ等は主にニュースレターで発信しております。購読ご希望の方は、ページ下部のフォームよりご登録ください。

高岡文紀

有限会社アーキテクト工房 Pure 代表取締役
PHJ理事
四国支部リーダー

6棟目のパッシブハウス認定申請物件に向けて

日本中でパッシブハウスがどんどん建ち始めましたね
アーキテクト工房Pureも6棟目となるパッシブハウスの認定申請物件が工事着手いたしました。

(仮称)南久米パッシブハウス

基本設計・認定申請コンサルタント共にプラン・リーブル高岡氏に依頼することとなり
基本設計も順調に進み2月に設計承認・契約を終え3月より基礎工事を行っています。

お客様との出会い

2021年7月HPお問合せフォームより

〝インターネットを検索したところ、家の機能を重視したアーキテクト工房Pure様の家づくりに強い興味を抱きました“

のメールよりご計画はスタートしました
お会いしお話をお伺いしたところ他の見学会やハウスメーカー話を聞いたこともないとの事

家づくりの話

お客様にはパッシブハウスの事務所に来ていただきモデル説明
アーキテクト工房Pureが『5つ星の快適を日常にする』を基本の考えとし
デザインの話
パッシブハウス(高性能住宅)の話
自然素材の話
資産価値の話
標準仕様の話
などしっかりと時間を掛けお話を聞いて頂きました

設計ヒアリング

土地探しからでしたがあっという間に土地が見つかりご契約となり
敷地調査の申し込みを頂き設計ヒアリングへと
敷地は南(農道)西(市道)角地で東西に長い80坪の敷地
日当たりはそこそこ良いのだが南側は農道を挟んで隣家の壁、決して景観が良いとは言えない
ご希望をお聞きしお客様に

〝パッシブハウスの性能のご提案が出来れば認定考えてみませんか“

この一言がパッシブハウス認定申請に向けてのスタートでした
後日設計プランの提示
太陽に素直に南に大きな開口をと言うプランではなくプライベートを重視したコートハウスのあるご提案
(プランは気にいって頂いたのだがパッシブハウスの認定では苦しむことに・・・)

概算見積・建物燃費ナビ結果ご提示

ファーストプランは気にいって頂き概算見積とPHPPにより建物燃費ナビの提示
概算見積は当初の資金計画よりいつものように予算オーバー
建物燃費ナビシュミレーション結果はいつもの断熱厚より屋根を強化しニアリーパッシブ

お客様に

〝あと少しでパッシブハウスになりますが認定狙いませんか?“

お客様は

〝そのつもりでいますのでよろしくお願いします“

パッシブハウス認定申請に向けて正式決定
本格的に細かい個所をPHPP入力にて計画がスタート

窓発注・断熱構成検討

窓はUNILUX社の木製トリプルアルミクラッドと樹脂サッシとの組み合わせ
納期が5ヶ月近くかかる為設計打ち合わせ途中でPHPPにて細部の入力を行い窓寸法・ガラスの種類を確定し契約前ではありますがお客様の承諾を経て事前発注
今回の建物は南からの日射取得も少ない上にコートハウスとなっており外皮面積も大きく
過去の認定済みの建物とは断熱構成も大きく違っています

基礎外周:EPS100㎜               基礎外周:EPS100㎜
基礎土間:EPS100㎜又は50㎜              基礎土間:XPS130㎜
充填断熱:ロックウール               充填断熱:ロックウール100㎜
又はウッドファイバー100㎜
付加断熱:ロックウール・ウッドファイバー100㎜  付加断熱:EPS120㎜
EPS100㎜                    フェノールフォーム90㎜
屋根断熱:ロックウール・ウッドファイバー300㎜  屋根断熱:ロックウール300㎜
+フェノールフォーム90㎜

過去の断熱構成(仮称)南久米パッシブハウス
基礎外周EPS100㎜EPS100㎜
基礎土間EPS100㎜又は50㎜XPS130㎜
充填断熱ロックウール又はウッドファイバー100㎜ロックウール100㎜
付加断熱ロックウール・ウッドファイバー100㎜
EPS100㎜
EPS120㎜
屋根断熱ロックウール・ウッドファイバー300㎜+フェノールフォーム90㎜ロックウール300㎜

同じ地域でも建物の形状でこんなにも違いが出ています

熱橋対策

外壁・屋根の断熱材のU値も今までの認定物件と比べてかなり変わっていますが
それでも土台水切り・下屋の水切り廻りの熱橋によっては認定の数値をクリアーするのに影響が出てそうと言う事で施工は手間がかかりますが写真の様な断熱構成で熱橋をなくす施工を行う予定です

基礎外断熱と外壁の付加断熱が連続されることで土台水切り廻りの熱橋は少なくすることはできますが白蟻のリスクは高まります
防蟻防湿シート・防蟻EPS・防蟻コーキング・防蟻フォームを使いしっかりと防蟻対策を行う必要があります

まとめ

  • パッシブハウス認定に向けて資金的に余裕のあるお客様には何度もパッシブハウスの良さなどを繰り返し説明し世界中のパッシブハウスの仲間入りをしませんかと勧める事
  • 出来るだけ太陽に素直に設計をする事
  • 出来るだけシンプルな立面にする事
  • 総2階に近いプランである事
  • 上記以外のプランの場合は覚悟を持って断熱構成などを行う事
  • お客様の要望によっては費用負担の覚悟をしてもらう事

以上