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ニュースレター 2021年1月号コラム

2021.01.07

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森みわ

パッシブハウス・ジャパン代表理事

~黄緑色の社会運動を目指して~

新年あけましておめでとうございます。
多くの皆さんがいつもより外出の少ない、でも家族と過ごす静かな時間の多い、
お正月を過ごされたことと思います。

2020年2月、人類は未知のウィルスと出会い、パニックも起き、マスクだけでなくトイレットペーパーも売り切れたことは記憶に新しいかと思います。私の通うLAVA鎌倉店も2月下旬に感染者が受講したため、全国のテレビニュースで取り上げられました。当時はコロナによる死者数の少なさを挙げ、リスクはインフルエンザ以下、経済活動を優先すべしという意見も多かったと記憶しています。確かに欧米諸国の熾烈な状況に比べると、日本人が比較的上手く持ちこたえているようにも見受けられ、しかしこれといった治療薬も無いままパンデミックは持久戦へ突入、「未知のウィルス」は「既知」となりました。「正しく恐れよう」という風潮にはなったものの、あっという間に死者数は3000人を超え、今から半年後には阪神・淡路大震災の犠牲者数の6000人台を超える可能性すら見えてきました。一方で昨年11月の時点でコロナの影響による失業者は7万人を超えており(非正規労働者が昨年の同時期から100万人以上減っている事を踏まえると明らかに過小評価)、都市部では非常事態宣言の発動が秒読みに。東京を中心とした都市部では遂に非常事態宣言が発令。このままでは非正規労働者や低所得者層を中心とした失業率の更なる増加で、日本社会の急速な不安定化、そして治安の悪化も懸念されます。

思い返せば2019年9月には、気候変動に対する大規模なデモが世界中で行われ、政治家をはじめとするオピニオンリーダー達が環境問題に進撃に取り組もうと意思表明していたのですが、残念ながら2020年のコロナウィルスの奇襲攻撃で全てがリセットされてしまった感があります。しかしながら、環境問題への取り組みは格差の無い持続可能な社会に向けた運動であるわけで、仮にこれまで環境運動を支えてきた人々が、緑のベストを脱ぎ捨て、労働者の地位向上を叫ぶ黄色のベストを身にまとう事になったとしても、この両者の運動の目的は、根底では繋がっている筈です。緑色と黄色の融合形が、もしかして今あるべき社会運動の答えなのかもしれません。

ですから皆さんも2021年は是非、このコロナ禍で浮き彫りとなったグローバル社会の脆弱性や日本人の労働環境にまつわる問題を真に受け止め、声を上げ、社会を変えてゆくアクションに繋げてください。結果が出せない温暖化対策も見て見ぬふり、生活困窮者も見て見ぬふり、ということになると、「平和じゃ無いのに平和ボケ」というレッテルを貼られてしまいます。PHJも微力ながらアクションを起こしていきたい次第です。

最後に、2021年のPHJ年賀状募金のお知らせです。
PHJメールマガジンにご登録頂いている6000人の方々に、本来は年賀はがきをお送りするべき経費(おひとり様100円分)を、今年はNPO法人キッズドアさんに寄付させて頂きます。このコロナ禍においても、真っ先に守られるべきは子供たちを取り巻く環境であり、未来を選ぶ権利、即ち学ぶ権利であると確信いたしました。この寄付を可能にしてくださった全国のサポーターの皆様にこの場を借りてお礼申し上げます。

https://kidsdoor.net/

今後もPHJの応援をよろしくお願い致します。