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ニュースレター 2019年12月号コラム

2019.12.11

パッシブハウス・ジャパンでは月に一度ニュースレターを発行しております。

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松尾 和也

パッシブハウス・ジャパン理事

今後、住宅会社が磨かなければならないこと

今年最後のメルマガになります。今年一年振り返って今後住宅会社が磨かなければならない技術分野をまとめてみたいと思います。たくさんの工務店さんを見る中、例年になく業界が早く動いている昨今においてトータルで考えてみました。

性能が担保できている会社に関してはデザイン、設計力を磨く必要が大いにあると思います。一般的には性能とデザインは反比例することが多いのですが、大半の会社が高断熱と謳うようになってきた今だからこそ必要と言えます。高耐久も外せない分野です。断熱省エネ以上に圧倒的にこの分野の研究は遅れています。それでも民間企業を中心に日本の気候風土に耐えうる耐久性仕様が徐々に確立しつつあります。積極的に情報を取りに行かないと勝手にやってくることはないですが、災害多発国、人生100年時代の両方を乗り切るためには避けて通れない技術です。

家全体を安く冷暖房できる技術。30を超える全館空調システムが発売されていますが、どれも原価で130万オーバーです。標準化できる価格帯で家全体を暖かく、涼しくできる技術力が必要となってきています。

12月9日のPHJ本部企画、「パッシブデザインのための住宅設備を考えるシンポジウム」には3会場で総勢177名が参加。

耐震等級3+α、耐震等級3はトップランナーの工務店から順に着実に広がっています。しかしながら、ウォールスタットが出てきたことにより実際の地震波で揺らしてみると耐震等級3の建物でも倒壊することがあることがわかってきました。特に熊本地震波で2回揺らした場合などは非常に厳しいです。大抵の場合、南面開口が大きいので1階南面がネックになってきます。ここをどうクリアしていくのか?このあたりも今後の課題になると考えています。

より良い住宅を作るべく常に改善していく。2020年以降もこれに尽きると考えています。