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ニュースレター 2019年2月号コラム

2019.02.11

パッシブハウス・ジャパンでは月に一度ニュースレターを発行しております。

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森みわ

パッシブハウス・ジャパン代表理事

お陰様でPHJ9周年記念大会は定員間近のお申し込み数となりました!

初めての地方開催ということで、若干の不安はありましたが、無事にいつも通りの規模で開催できることとなり、主催者として嬉しい限りです。ただ、当初準備していたオプショナルツアーが既に定員に達してしまったため、急遽もう一つのツアーを追加で企画しましたところ、この追加ツアーの方がマニアックであるというご指摘を頂いております(笑)。パッシブハウスの設備に関心がある方は、是非オプショナルツアー2に挑戦してください!

さて、今年の9月には、第23回国際パッシブハウス・カンファレンスが中国のGaobaidianにて開催となります。そして例年通り、開催半年以上前にカンファレンスでの発表原稿の概要提出の締め切りがありました。今回はなんと、世界40か国から300件もの発表原稿が寄せられ、そのうちの82件は中国からの応募となっています(日本からは私の1件だけでしょうか?)。

しかし2日間に渡るカンファレンスで実際に発表のチャンスを得られるのは、時間の制約もあり70件程に絞られます。今回私はこの発表原稿の絞り込みの委員会に駆り出されてしまい、現在中国から上がった82件もの発表原稿に目を通しているところなのですが・・・。

とにかく印象的なのは、今後のパッシブハウスの外皮性能を見据えた新しい製品開発が急ピッチで行われているということ。特に設備に関して様々な取り組みが行われています。中国の設備メーカーは日本と比べて小規模ですので、フットワークが軽く、市場の需要に応えるべく進化しているようです。そうなると中国に進出している日本の設備メーカーも、うかうかしていられない状況となりますから、なんと中国市場の圧力がきっかけとなり、現在幾つかのエアコンメーカーが、換気装置とエアコンを一体化させた新しい設備の開発を模索しています。

この流れは私達にとっては大変喜ばしい事で、現在国内の幾つかの物件で、中国経由で入ってきた換気・冷暖房ユニットが採用されています。でも熱交換素子はドイツ製、ヒートポンプは日本製なんですね(笑)。そうやってパッシブハウスの有識者やメーカーがグローバルに連携しながら、スマートな外皮のためのシンプルな設備がこれからもどんどん生まれてくると思うとワクワクしてしまうのは私だけでしょうか?


松尾 和也

パッシブハウス・ジャパン理事

最近の壁掛エアコンが床を温める能力は驚くほど高くなっています。

自宅のエアコンが壊れたこと、事務所のエアコンが異音がするのと温まるまでの時間が長すぎることから富士通ゼネラルの最上位機種に交換しました。

常にその時点で一番いいと思うエアコンを自分なりに選んでいます。重要視する点が人によって異なるので、万人にとって一番の機種というのはないかもしれません。私が今重視しているポイントは次の通りです。

  • 再熱除湿がある
  • 冷房運転する場合は内部のカビまで除去する機能がついている

大きくはこの2点です。どこのメーカーも上位機種においては何らかのカビ対策を書いてはいます。しかし、根本的に内部に発生するカビを99%といったレベルで除去できるのは今のところ富士通ゼネラルの最上位機種をおいてほかにありません。

この二つの理由で購入したわけですが、棚から牡丹餅のごとく発見したのが驚くべき床の暖かさでした。

この機種は両サイドに角度が自由に変えられるファンが本体のファンとは独立する形でついています。こういうのは見た目もガンダムチックで全然期待していませんでした。しかし、効果は絶大でした。能力は前のエアコンと同じでも初めて体感したときは部屋に入った瞬間に床暖房がきいているのか?と思うくらいの違いでした。

サーモグラフィーで確認してもやはり同じで床がしっかりと温まっていることを確認できました。住宅会社が住宅の高性能化を何十年もさぼってきた結果、エアコンという空調家電は超絶進化するというまさにガラパゴス的な発展を遂げています。

もうひとつ追加で説明しておきます。カビについてです。冷房で運転していると数年経つとどうしても内部にカビが生えてきます。その際、市販のスプレー式のクリーナーを使うと稀にですが故障することがあるのです。プロの業者に清掃を頼んだ場合、再熱除湿が付いている機種は中上位機種なのでほぼ例外なく自動掃除機能がついてきます。自動掃除機能がついているエアコンの清掃料金は20000円くらいすることが大半です。3年に一度でもこんな金額を使うことを考えるのであれば、カビを除去する機能は少々高くても十分にペイすると考えています。