エントリーゾーン:パッシブハウス・ジャパン推奨ゾーン
ギャンブレル屋根の縁側住宅
日照条件の良い敷地に建つ、4人家族のための住宅。南に見える山並みは隣家に影にならない2階の方が良く見える。そこで、東西に長い長方形の平面の中央に二階寝室を配置。屋根は建物長辺を妻面とした、ギャンブレル形状(腰折れ形状)の大屋根とした。夏期の日射遮蔽や杉板外壁の保護のため、家の四方には大きく軒を出し、階高軒高は限界まで下げた。背の低い大屋根形状によって表面積を小さく押さえ、耐震性能、断熱性能、意匠性を向上させた。屋根断熱はネオマフォーム90mm2枚を外張りにし、登梁をあらわしにした。
南側の立面は、日射取得と中間領域のたまりを両立する形を模索した。2階南は庇を兼ねて1階より南に出す。1階日射取得が欲しいところは2階より半間分引っ込め、たまりにしたいところは一間分引っ込めた。
間取りは極力間仕切りを作らず、東西6間を端から端まで見通せる空間とした。また上下階も吹き抜けでつなぎ、家全体をワンルーム状の空間にした。そうやって家を広々させる一方で、家の東西間口いっぱいに縁側や、家の内外の窓際にベンチ上の空間を設えるなど、人の「居場所」を確保した。風景を望む家の内外の縁側がこの住宅を特徴づけている。
設計者 | 飯塚 豊 |
施工者 | 森大建地産株式会社 |
建設地 | 三重県多気郡多気町 |
竣工月 | 2021年3月 |
新築/改修 | 新築 |
延床面積 | 121.51 ㎡ |
実測C値 | 0.4 ㎠/㎡ |
Ua値 | 0.24 W/㎡K |