「建もの燃費ナビ」は、簡単な操作で入力した間取りや屋根と、計算に必要な情報を設定すると建物の燃費(=一次エネルギー消費量)をグラフなどを用いた分かりやすい提案シートを出力できる省エネ住宅設計支援ツールです。建物にも自動車と同じように燃費があり、燃費が良い省エネ性の高い住宅で真の省エネ住宅を提案し、他社との差別化をはかれます。自社の高い省エネ住宅を設計段階で視覚的にアピールすることができます。

建もの燃費ナビ結果シート建もの燃費証書1

価格(税込み)

  • 通常
    129,600円(CADオプション: 75,600円)
  • パッシブハウスジャパン主催のセミナー参加者
    108,000円(CADオプション63,720円)
  • 賛助会員
    116,640円(CADオプション68,040円)
    さらに初年度会費の特別割引き(詳しくはこちらをごらんください)
  • 指定紹介店からの購入
    116,640円(CADオプション68,040円)

家の燃費、くらべましょう。

 中でも耐震性能と省エネ、断熱性能に関しては各社「我が社が一番優れている」といったパンフレットや営業トークが目につき、聞けば聞くほど、どこの会社が高性能なのかが、購入者側からは分からなくなってくるというのが現実です。この現状を自動車業界に置き換えてみると、リッター何キロかわからない状態でカタログと営業トークで低燃費かどうかを購入者が判断することと同じ。結果として購入者は本当に欲しい低燃費の車を買うことができず、低燃費な車を開発する必要性は薄れ、それでも真に低燃費の製品を提供するメーカーは他社製品との大きな価格差に悩まされ、日本社会の省エネ化は思うように進まない、という事態に陥りかねません。車の10倍以上の価格の住宅購入の際に、購入者のための公平な燃費表示が存在しないという事は大きな問題です。

建もの省エネx健康マップで比較できる、各社の省エネ性能と温熱環境

一方、まだ余り知られていない事実ですが、家の断熱性能と健康には深いかかわりがあり、しかるべき断熱性能の暖かい家に住むことで住まい手が健康になるという研究結果が出ています。室内の温度むらの少ない暖かい家に住むことで、一世帯あたり27,000円、国家負担分で考えると一世帯あたり59,000円の医療費の削減につながるという研究結果もあります。しかしこれには住宅の高断熱化(すなわち省エネ化)による燃料費の削減分は含まれていないため、実質的な節約金額はこれを大きく上回ります。ここでいう暖かい家と健康の相関性は、現在の住宅メーカーの標準レベルである「次世代省エネ基準」程度ではまだまだ小さく、それを更に上回る「トップランナー基準」レベルを超えた断熱性能の家で顕著になります(ちなみにEUの省エネ義務基準は日本のトップランナー基準すら大幅に上回ります)。今現在、人口1億2000万人のうち、約1億人は冬の間暖かい生活ができていないと言われるほど、日本人は世界的に見ても珍しいほど寒さを我慢して暮らしている国民であり、その犠牲の上に現在の家庭のエネルギー消費量の統計があることを忘れてはなりません。

断熱向上の便益のグラフ

慶応大学 村上教授の研究結果より引用

3.11後、自然エネルギーへのシフトが叫ばれるようになりましたが、基本はなんといってもこれまでのエネルギーの浪費を止めること、すなわち省エネです。しかも本当に必要なのはこれまでのような「我慢の省エネ」ではなく、断熱やパッシブデザインといった「建物の躯体強化」による「健康になれる省エネ」なのです。

今回の「建もの省エネx健康マップ」のように省エネ性能や建物内の温熱性能が一目瞭然となれば、購入者側から住宅メーカーに対して、「金額が高くても省エネ性能が高い住宅を選びたい」「同じ省エネ効果ならば太陽光発電よりも断熱強化を選びたい」という意思表示がなされる土壌ができます。パッシブハウス・ジャパンは業界関係者、そして住宅購入を予定される一人でも多くの方にこの省エネx健康マップを見ていただきたいと考えております。

今後、「建もの省エネx健康マップ」への新規物件掲載の申し込みも随時受け付けを行います。マップのオープンと共に、住宅一棟毎の燃費を証明する「建もの燃費証書」の発行もスタート。現在お住まいの家の燃費、これから建てる家の燃費をどなたにでも客観的に把握していただくことが可能となります。

マップへの新規物件掲載には先ず「建もの燃費証書」の発行が必要です。「建もの燃費証書」については一般社団法人パッシブハウス・ジャパンのHPをご覧ください。


”燃費の見える化”が必要な理由

PASSIVE HOUSE JAPAN 代表:森みわ

エコハウスのものさしが必要では?

エコよりもなによりも、光熱費が安い家を買いたい人はそういう選択もありだと思います。でもエコハウスを買いたかった人が、そうでないものを買わされたという事があっては大問題です。市場にはさまざまなエコのキャッチフレーズが飛び交いますが、“太陽光発電で年間売電額xx“とか、”高断熱高気密“と歌われていても、どれ程エコなのか、さっぱりわかりません。あれもこれも付いているとか、省エネ製品のてんこ盛りがエコハウスとして売れていったり、営業トーク次第でエコハウスになる、といった事態を回避するために、もっと公平で分かりやすいエコのものさしが必要ではありませんか?

ヨーロッパではエネルギーパスが義務

たとえば建物が使われている間に発生するエネルギー消費量を、車と同様に“燃費“表示してみると、省エネ住宅を選ぶ側としては大変分かりやすくなりますね。ヨーロッパではドイツを筆頭に建築物全般の燃費ラベル(エネルギーパス)が義務化されており、消費者が省エネ住宅を購入するときのとても重要な判断基準として活用されています(住宅の燃費では、一般的には冷暖房、換気、給湯、照明、調理に必要なエネルギーが対象となります。家電の省エネ化は建築側の役割ではないのと、住まい手の生活習慣によって大幅に変動するため、建築物の燃費の対象には含まれていません)。

tnn17_energypass

日本のエネルギーパスの動きと「建もの燃費ナビ」の誕生

日本でもドイツをはじめとするEU諸国に導入されたエネルギーパスに相当する建物の燃費のラベル表示を導入しようという動きが始まっています。その際には、できるだけ精度の高い燃費計算を、できるだけ少ない手間で行うことが必要です。そのためにパッシブハウス・ジャパンが1年の歳月をかけて準備したのが、2011年11月に発売が始まった”建もの燃費ナビ“という燃費計算ツールです。たった1年で出来上がったその背景には、1989年から20年以上の歳月をかけて開発された、ドイツ・パッシブハウス研究所のパッシブハウス設計ツール”Passive House Planning Package”が建もの燃費ナビのブレインとして動いているからなのです。

よってこのソフトにはパッシブデザインのノウハウが凝縮されており、建物が必要とするエネルギーを効率よく減らす手法を設計者が身につける事が出来たり、省エネ設備の効果や、エネルギー源の選択を反映させた建物全体のエネルギー消費量を一次エネルギー換算で正確に把握したりする事が出来ます。

「建もの燃費ナビ」で費用対効果の高い方法を探る

施工者は、たとえば同じ省エネ性能を発揮するために一番費用対効果の高い方法を探ることもできます。計算結果は一般の人にも大変分かりやすい表示方法となっており、住宅一棟一棟のキャラクターが正確に比較できるようになっています。たとえば同じ燃費の家でも、躯体のパッシブ性能が高いのか、それとも設備効率が高いだけなのか、はたまた太陽光発電で大量に発電して浪費したエネルギーを相殺しているのかが、一目瞭然なのです。

この建もの燃費ナビの大きな特徴として、その建物の形や立地条件を反映できることがあります。南側に5階建てのマンションが建っている狭小地といった条件の悪い敷地に、ハウスメーカーのエコハウス・コンセプトで家を建てたところで、条件の良い“モデル棟“と同じ省エネ性能が発揮されないのは明らかな事です。ならば最初からそのような不利な条件をきちんと反映させながら、必要最低限の省エネ性能が発揮できるような設計を行うのがオーナーにとって一番ありがたい事な訳で、そういったカスタムメイドなエコハウス作りの道しるべとなるのがこの建もの燃費ナビなのです。

公平なエコハウスのものさしを確立

この”燃費の見える化”によって、エコハウスの公平な土俵とものさしが確立されると、必然的に住宅の省エネ性能の底上げが進んでいくでしょう。そうなると今度は燃費ゼロを跳びこして、エネルギーを生み出す家がぞくぞく誕生していくはずです。これからのプラスエネルギーハウスの普及を見据えて、建もの燃費ナビの燃費表示はマイナスの表示まで対応できるようになっているのです。また、燃費ナビは既存の建物を省エネ改修する際にも力を発揮します。現状からどのように費用対効果高く性能を強化することができるのかを、設計段階で十分に検討することができます。皆さんの家づくりにも是非、本物の省エネの物差しを導入してみませんか?


「建もの燃費ナビ」の開発経緯

PASSIVE HOUSE JAPAN 理事:松尾和也

PHPPの日本語化の要望

私も最初は森代表からPHPPをもらって使っていました。
しかし、私自身英語がそれほど得意ではないこと。
また日本の実情と合わないところが多々あることから実務にフル活用というところまでいっていない状態でした。

そんな中、パッシブハウスジャパンの会員の皆様から
「日本語化してほしい!」
という切実な声をたくさん聞きました。
なんとかしなければならない。

日本語化とともに「建もの燃費ナビ」を開発スタート

しかし、単純に日本語化するだけではおそらく誰も使わない、もしくは使えない代物になってしまいそうな気がしていました。

そんなとき、頭にひらめいたのがCPUの高森さんです。
ずっと以前に通風シミュレーションソフトの紹介で私の事務所に来られたことがきっかけで、実務者の立場から改善点のアドバイスなどを行なっていました。
「実務者が使える熱環境ソフトを作るならCPUしかない!」
という思いがあり、高森さんに連絡したところ、取締役の方にまで承認をいただくことができ、開発がスタートしました。

そして登場してきたのが、CPUプログラマーの中西さんです。
中西さんは非常に優秀な方で、熱環境のこともよくわかっておられます。
そして、PHPPが20年近くにわたって改善を重ねてきた中身の凄さ、そしてこのソフトを世に広めることの意義を誰よりも理解して下さいました。

開発の苦労と苦渋のリリース延期

単純にやらされるだけのサラリーマン仕事の域を超えた中西さんの情熱があってこそこのソフトができたといっても過言ではありません。

PHPPはいかにもドイツのソフトらしく、窓は枠と、ガラスを別々に計算します。
また外壁の面積を算定するときは外壁表面で、内側の容積を計算するときは正確に内法で計算します。
そういったことを単純なプラン入力をするだけで自動計算できるようになったことがこのソフトを開発する上で最大の苦労点だったのではないかとおもいます。

実際、森代表が国際カンファレンスで建もの燃費ナビを発表したときも感嘆の声が上がったと聞いています。
開発していく中で当初の想定よりもはるかに困難なことに挑戦していることが分かって来ました。
そのため、まわりから発売を急かされるのとは裏腹に何度も発売日の延期をせざるを得ませんでした。
また、森代表と私で途中アドバイスをしてきたわけですが、成果品を評価しようにも成果品自体がまともに動かず、その結果ますます開発が遅れる方向にいきました。

PHPPから燃費ナビへの連携部分に関しては森代表が、燃費ナビが出来てからソフトの扱いやすさと、日本の実情に合わせる部分に関しては私がメインとなってアドバイスを行ってきました。
ベータ版ができてからは主だったパッシブハウスジャパンの会員にも参加してもらってソフトの精度を高めたり、バグ取りを行いましたが、我々にとってはこのあたりが最もたいへんなところでした。

「建もの燃費ナビ」の完成

実際、ベータ版から完成版に至るまでの修正要望箇所は150箇所ほどあり、技術的に可能なところはほぼすべて修正し、ようやく完成版を発売するに至りました。

最近では全国各地の工務店からシミュレーション結果と燃費ナビの結果を照らしあわせた結果が多数集まっています。複数のシミュレーションソフトを使われている工務店さんからも「燃費ナビが最も実際の結果に近い」という評価をたくさんいただいております。

ひとりでも多くの実務者がこのソフトを使うことでこの評価が世に広まり、正当な技術競争が評価されるようになり、クライアントが正しい選択ができるようになることを心から願っております。