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パッシブハウスって何?

日本列島は北から南まで様々な気候風土が見られ、四季を通じてさまざまな過ごし方がある魅力ある列島です。古くから衣服に衣替えの習慣があるように、住まいにも季節ごとの運転モードがありますが、大きく分けると「開けて暮らす」か、「閉じて暮らす」かになるでしょう。「開けて暮らす」季節は、外で過ごすのが心地よい季節。

え、外で過ごすのが心地いいって、いつのこと?(いつも屋内にこもっている俺にはよくわからない…)

5月や10月頃の気候のことだね。湿度がちょうど良くてサラッとしていて、風が気持ち良く感じる季節だね。でも地球温暖化で「開けて暮らす」期間は、残念ながらじわじわと短くなってきているね。

一方、「閉じて暮らす」季節は外が過酷な季節です。ヨーロッパでは、冬を指しますが、アジア圏では夏と冬が該当します。私たちが健康に、そして穏やかに過ごせるように、夏と冬は外と内を閉じて室内を空調します。パッシブハウスはこの「閉じて暮らす」季節の化石燃料依存を極限まで減らしていくこと、そして「閉じて暮らす」期間を最小限に縮めていくことを目指し、1997年にドイツで生まれた民間による省エネ認定基準です。勿論冷暖房以外のエネルギー消費量もパッシブハウスの認定基準内に収める必要がありますので、給湯や照明、調理、換気動力などの計画も省エネを心がけなければなりません。

化石燃料依存とか省エネとか言われても俺はどうすることもできないわ。夏は、じめじめ、冬は暖めてもなんか寒い、、、、まぁ電気代も高いから、我慢すればいいという話ね、はいはい。(日々の生活環境に諦めモード)

いやいや!これだけは言わせてほしい!我慢することが省エネじゃないんだよ。ドイツのパッシブハウス研究所で生まれたパッシブハウスは、地球も人も我慢しない省エネな建築を叶えられるんだ。

地球温暖化を阻止するべく、独・パッシブハウス研究所で編み出されたパッシブハウスの設計メソッドは、誰もが受け入れられる「我慢をしなくても省エネ」な建築を実際に設計するための強力なツール、PHPP(Passive House Planning Package)として確立されました。その計算ロジックの正確さ故に、今では世界中の団体や行政に影響を与えています。海外では戸建て住宅のみならず、集合住宅やオフィス建築、公共建築もパッシブハウスを視野に入れて計画されています。

日本では2009年より、主に木造の戸建て住宅を中心にパッシブハウスの取り組みが始まり、独パッシブハウス研究所との提携に基づき、2019年よりパッシブハウス・ジャパンはアジア圏でのパッシブハウス認定の審査を行っています。 日本国内でもUa値を用いた断熱性能の表示がようやっと定着しつつありますが、パッシブハウスの計算ロジックでは、Ua値(断熱性能)や、C値(気密性能)といった、断片的な評価とは大きく異なり、近隣建物まで加味した窓ガラス1枚1枚からの日射の取得状況や、躯体のヒートブリッジの数値化、換気設備の施工状況を加味した機器効率等も踏まえ、年間の冷暖房エネルギー消費量の予測を最大限の精度でおこなっています。

日本国内でも地域によって、そして建物のデザイン(特に窓の方位)によって、パッシブハウスの基準を満たす断熱性能は異なりますが、40坪程度の住宅であれば、6畳用エアコン1台で、家中が夏も冬も快適な温度になるという説明が、日本の方には一番判り易い表現でしょうか。パッシブハウスに求められる高い断熱性能によって、部屋ごとの温度ムラが最小限になるため、冷暖房設備がどんどんシンプルになるのも大きなメリット。「断熱は一番安い冷暖房設備である」と言われるのも納得です。

Ua値、C値、日射の取得、ヒートブリッジ、換気設備、冷暖房エネルギー消費量、、、????

ケツロ―には、まだまだ難しい言葉だらけだよね。少しずつ説明していくから、勉強していこう!