パッシブハウスジャパンニュースレター 022号 2011年1月11日発行
▽世界基準の省エネ住宅普及に向けて、知識と技術を探求いたします
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パッシブハウスジャパンニュースレター 022号 2011年1月11日発行
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みなさま、こんにちは。
非営利型一般社団法人パッシブハウス・ジャパン
http://www.passivehouse-japan.org
第22号・年賀メールマガジンです。
新年明けましておめでとうございます。
昨年中は格別のご厚情を賜り、誠にありがとうございました。
本年も更なる前進と飛躍に挑戦いたしますパッシブハウス・ジャパンを
なにとぞよろしくお願いいたします。
また、皆様のご健康とご多幸を心からお祈り申し上げます。
パッシブハウス・ジャパンのメールマガジンを購読してくださる
1200人を超える皆様に年賀状をお送りする思いで、
今年はその費用を全額、日本ユニセフ協会に募金することにいたしました。
私共の活動をサポートしてくださる、
PHJ賛助会員の皆様に、心より
お礼を申し上げます。
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□Contents□
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1)【ドイツ土産 代表理事 森みわ】
2)【日本のお正月 理事 松尾和也】
3)【パッシブハウスジャパンからのお知らせ】
省エネ建築診断士セミナー@山形
4)【賛助会員紹介】
登録いただいた企業様を紹介します
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1)ドイツ土産 (代表理事 森 みわ)
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新年あけましておめでとうございます。
皆様お正月休みはどこでどのようにお過ごしになりましたでしょうか?
我が家はクリスマスを記録的な大雪の南ドイツで過ごし、12月31日に
日本に戻り大みそかを超えました。南ドイツでは外がマイナス10度でも
楽しく雪遊びをし、家の中では薄着とまではいきませんがセーターを着て
暖かく過ごしていましたから、松尾理事の正月休みと全く正反対なのです。
さて、帰省にしろ海外旅行にしろ、旅に出ると毎回必ずと言ってよいほど、
思い出に残るエピソードが生まれませんか?まさにそれが旅の醍醐味な訳
ですが、今回は誠に勝手ながら、我が家の旅のエピソードをご紹介いたし
ますので、馬鹿話にしばしお付き合いください。
私は毎回ドイツから戻る際、現地でしか手に入らないものをあれこれと買
いあさっては、日本に持ち帰る訳ですが、今回も例外なくさまざまなアイ
テムを無理やりスーツケースに詰め込みました。チーズフォンデュ用のオ
ーストリア産チーズ数種と、ドイツの白ワイン、黒い森のモミの木から取
れたはちみつ、それからオーガニック・コスメなどは毎回の定番アイテム
ですが、食品関係は全てチェックイン用のスーツケースに詰め込み、今回
はプレゼント用に蜜ろうのティーキャンドルの10個入りパック、杉を使
った家具を製作する際に使おうと思った木工ネジ200本(露出していて
も気にならないようなデザインの木ネジがドイツにはあります!)を、ド
イツのAmazonで見つけたステンレス製の郵便受けに詰め込み、機内持ち込
み用のスーツケースに入れてしまいました。
フランクフルト空港の手荷物検査場で感知器を通過した私は、私のスーツ
ケースを画面上で見つめて緊張感を漂わせている数人の係員に気が付きま
す。自分が持ち主である事を告げると、そこで動かずに待っていなさいと
言われ、係員は私の挙動に注意を払いながらスーツケースの画像を何度も
調べた後、スーツケースの中身を開けるように指示しました。一体何が起
こったかというと、実は私のスーツケースは爆弾に瓜二つだったのです。
ステンレスの箱に詰まったティーキャンドルはセンサーに爆発物と認識さ
れ、その爆発の威力を増幅させるために必要不可欠な、金属のネジが大量
に詰まっている訳です。”爆発のシグナルを受信するiPodでも入っていた
ら直ぐに警備員に通報していたよ!危険すぎて開けられないだろう?こん
なナイス・コンビネーションを見たのは久しぶりだ。上手すぎる!”と喜
んでもらった後に、”とにかくこんな手荷物は次回からは決して許さない
から、とっとと蓋を閉めてこの場を立ち去りなさい”と追い立てられまし
た。搭乗口に向かいながら、めっきり落ち込む私を尻目に、”そうか、
iPodが入ってなかったのは惜しかった。”と悔しそうな顔をする夫、”マ
マ爆弾作りたかったの?”と大はしゃぎする息子。めずらしく冗談の通じ
るドイツ人の空港係員達のおかげで、無事に家族で日本の新年を迎えるこ
とが出来ました。しかし極寒の鎌倉の家に戻った今では、毎晩湯たんぽを
抱えて凍えながら寝る始末、ドイツの国境警察の拘置所の方がよっぽど暖
かかったに違いありません。ティーキャンドルはもうお世話になった方に
贈ってしまいましたが、事務所の新しい郵便受けを見る度に、そして杉の
家具についている木ネジの頭を見るたびに思い出すであろうこの土産話が、
今回一番のドイツ土産でした。この年末年始に旅行をされた皆さんには、
どのようなエピソードが生まれましたか?
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2)日本のお正月 (理事 松尾和也)
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新年、明けましておめでとうございます。今年も正月早々山形にて省エネ
建築診断士講習がありますが、その準備に追われている今日この頃です。
今年の正月は例年どおり親戚まわりに追われたのと、家の収納量が足りな
くなってきたことから、収納の奥の方までひっくり返しての大掃除、片付
け、それにプラスして使いにくい部位に、日曜大工で収納をあれこれ自作
しました。そうこうしているとあっという間に正月が終わってしまい、非
常に運動量の多い健康的な正月でした。こんなに退屈することがなかった
正月は久しぶりかもしれません。
親戚まわりをしていて必ず気付くのが日本の家の断熱性能の低さと、大多
数の帰省してくる子供世帯がそれに我慢ならなくなっている実態です。子
供世帯が高断熱な家に住んでいるとは決して言いません。しかしながら、
多くの日本の一般家庭が実家は築30年以上の古い家の場合が多く、そう
いう家は極めて低断熱もしくは無断熱です。そして子供世帯の家は賃貸、
分譲は別にしてもマンション、もしくは比較的最近の基準で建てられた中
断熱以上の戸建住宅である場合が多いです。こういう最も多い標準的な親
族構成かつ家の状態の場合、帰省すると「耐えられない」という事態が発
生します。実家は皆が集う今はかなりの高温のこたつがおいてあり、それ
だけでは室温が寒いからとさらにファンヒーターをつけています。それで、
こたつにあたっているうちは十分暖かいのですが、そこから離れることが
できず、テレビでも見ながら座ったままか寝転んだ正月となります。だれ
かがトイレにでもいこうとふすまを開けた瞬間にふすまの隙間下部からは
ジェット気流といっても過言ではないような強烈な隙間風が吹いてきます。
廊下はアイスリンクのごとく冷え切っており、スリッパがない状態では数
分も立っていられないほどの冷たさです。こうして昼間を乗り切ると次は
入浴という儀式が待っているのですが、これまた露天風呂に行っているの
と同じような温度環境です。なにしろ洗面脱衣室は10℃を軽く下回って
います。そしてそういう家に限ってお風呂は在来のタイルの浴室で、風呂
に入った瞬間の床タイルの冷たさといえばたまったものではありません。
この洗面室の寒さと、その直後の浴槽の急激な暖かさのせいで毎年140
00人以上の方が亡くなられているのですが、これに対し法規制が全くな
されないのが日本のおかしな現状です。そうやって厳しい荒行のような入
浴を終えると今度は就寝です。就寝は楽かと思いきやこれまた大変です。
異常に重たい毛布や布団を山のように重ね、寝返りも打てないほどの重い
布団にくるまれて寝ます。それでも足元が冷たいからとこたつや湯たんぽ
を足元に仕込んで寝ることもあります。これで体は寒くないのですが、顔
は当然ながら冷たいままです。そして、仮に一晩中起きなかったとしても、
部屋の冷たい空気は吸い続けるわけで、肺の温度は下がりっぱなしです。
この状態は通称「ポックリ波」と呼ばれる心臓疾患を誘発しやすい状況を
作ることが知られています。そんな大変な状況をなんとか耐えて新年の朝
を迎えるわけですが、そうすると今度は布団からなかなか出られない。は
く息が白いのは当たり前ですが、布団からでるのがあまりにも寒く、また
出た後にトイレに行くという荒行が待ち受けています・・・・。
以上が典型的な日本人の正月像かと思って書いてみました。少なくとも私
にはそういう経験があります。それに比べて多くの子世帯はある程度の街
で北廊下かつ南向きのマンションの中間階の中部屋に住んでいるとします。
その場合の室温は真冬の早朝で無暖房の状態でも、15度を下回ることは
まずありません。これは戸建住宅でいえば、次世代省エネ基準などはるか
に上回る性能です。普段そんなところで生活している家族が上述のような
実家に帰るわけです。特に寒がりなお嫁さんにはかなり堪えます。
昨年ドイツで御一緒した南雄三さんに至っては「室温が10℃を切るとい
うのは家が凶器であるのと同様だ」とまでおっしゃっています。非常に深
い名言であると私も思います。上記のような日本の住宅の低断熱ぶりは、
日本独特の文化というか風情を醸し出しているのも事実です。私も祖父母
の家にいくとその懐かしさにはいつも安らぎを覚えます。しかしながら、
命を危険にさらしてまでの文化というのはやはりおかしいと私はいつも思
ってしまいます。私の祖父母はそういう家に60年以上住んで来ました。
今までは慣れでその家に住むことが当たり前だと思ってきましたし、体も
適応できていました。ところが90を超える年齢になってくると、60年
寒さに慣れ親しんだ体ですら耐えることができなくなってきています。
家中暖かい家で活動的に生活するのと、寒い家の中でこたつに座りっぱな
しで生活する。どちらが体に良いのかはまだ調査されていません。しかし、
私は前者の方がはるかに健康的だと思っています。家だろうが店舗だろう
がどこにいっても快適なドイツをはじめとするヨーロッパ諸国。反対に、
どこに行ってもまず不快な寒さを感じる日本。この差を埋めるには一体何
年の月日が必要なのか?正月になるといつも考えさせられるテーマです。
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3)パッシブハウスジャパンからのお知らせ
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省エネ建築診断士セミナー@山形
第3回省エネ建築診断士セミナーには64名のお申し込みをいただき
ました。今回も充実したセミナーになるよう目下準備の追い込み中で
す。受講者の皆様、当日会場でお会いできるのを楽しみにいたしてお
ります。
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4)【賛助会員紹介】
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ご登録いただいた賛助会員の皆様をご紹介します。
◎新規会員
街角企画株式会社(設計)
<工務店会員>
株式会社島田材木店
株式会社HORI建築
株式会社セイズインターナショナル
株式会社アイシーホーム
高橋建築株式会社
株式会社OKUTA
棟晶株式会社
光輝建設株式会社
株式会社五感工房
エコモ株式会社
有限会社アーキテクト工房Pure
株式会社カーサ
株式会社ラクジュ
イー住まい有限会社
株式会社大丸工業
株式会社ホームラボ
<設計事務所会員>
植田優建築工房
株式会社建築工房わたなべ
溝口建築設計事務所
都建築設計室
空設計工房
真建築事務所
なちゅらる・さーかす
H2O design associates
株式会社プランニング・ジャパン
空間工房/上岡直樹
株式会社大庄
HIRO建築設計舎
株式会社グリーンサークル
WORDS建築事務所
グローブホームビルド株式会社
ダックス建築デザイン
株式会社SiZE
<メーカー会員>
マグ・イゾベール株式会社
日本スティーベル株式会社
Tonwerk Lausen AG
旭化成建材株式会社
株式会社テクノフォルムバウテックジャパン
株式会社ディンプレックスジャパン
Pazen Fenster GmbH
<一般会員>
ハイアス・アンド・カンパニー株式会社
<特別会員>
NPO法人木品協
Dotプロジェクト
NPO法人新木造住宅技術研究協議会
IG Passivhaus Schweiz(スイスパッシブハウス振興会)
NPO法人日本VOC測定協会
NPO法人外断熱推進会議
賛助会員へのご興味のある方、詳細はこちらからどうぞ
http://phj.zz.tc/member
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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【パッシブハウスジャパンニュースレター】
2011年1月11日発行(0022)
発 行:一般社団法人パッシブハウス・ジャパン
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