パッシブハウスジャパンニュースレター 007号 2010年5月24日発行
▽世界基準の省エネ住宅普及に向けて、知識と技術を探求いたします
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
パッシブハウスジャパンニュースレター 007号 2010年5月24日発行
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
みなさま、こんにちは。
非営利型一般社団法人パッシブハウス・ジャパン
http://www.passivehouse-japan.org
メールマガジン第7号です。
私たちは、
ドイツのパッシブハウス研究所と連携し、
世界中のパッシブハウス関連団体と幅広く知識・技術の共有を重ね、
日本及びアジア圏での住宅性能の強化を目指します。
本メールマガジンでは、海外の建築最新事情や、実践的な技術解説、
パッシブハウス・ジャパンが開催する各種セミナー・イベント情報を
お伝えいたします。
―――――――――――――――――――――――――――――――
□Contents
―――――――――――――――――――――――――――――――
1)【パッシブハウス・デザイナー/コンサルタント資格制度の話 その2
代表理事 森みわ】
2)【PHJ会員、省エネ建築診断士は必読の書 理事 松尾和也】
3)【PHJからのお知らせ】
登録省エネ建築診断士をHPで公開しました!
4)【賛助会員紹介】
会員登録いただいた企業様を紹介します
5)【REFRESH!】
仕事のヒント!ニュースや、本、イベントをご紹介
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
1)パッシブハウス・デザイナー/コンサルタント資格制度の話 その2
(代表理事 森みわ)
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
前回のメールマガジンで触れたCPHD
(Certified Passive House Designer/Consultants)
の資格制度に関して、皆様から多くの問い合わせが寄せられましたので、
今回はもう少し詳しくこの精度についてご紹介したいと思います。
CPHDの資格を得るためには、二つの道があります。
ひとつは、独学または一週間のセミナーを受講後、資格試験に合格すること。
もうひとつは、実際に自ら計画するプロジェクトで
パッシブハウス認定を取得することです。
両者ともに、少なくとも3年に一度、パッシブハウス認定を行わない限り、この資格を消失します。
これらのルールはこちらのウェブサイトに規定されています。
http://www.passivhausplaner.eu/englisch/index_e.html
CPHDの資格は厳密にはデザイナーとコンサルタントの
二つのカテゴリーに分かれます。
デザイナーとは建築にまつわる専門知識を備えた設計者や構造設計者、
設備設計者、大工(ドイツで言うところのマイスター資格所有者に限り)に
与えられるタイトルであり、それ以外の職種は全てコンサルタント扱いとなります。
現在日本と韓国を含む世界19カ国にこの有資格者がおります。
試験による資格取得を目指す人達のために、
EU内の16箇所の機関でCPHD育成セミナーが定期的に開催されています。
集中コースの場合は8日間、週末コースの場合は4週間程度の期間で、
受講料はおよそ1500ユーロ、試験の受験料は320ユーロ程度です。
以下に、とある講習会の内容項目を例としてご紹介しましょう。
パッシブハウスの外皮の断熱性能
ヒートブリッジの無い工法の選択
パッシブハウス用のサッシ
夏の居住性
換気システム、気密試験、サーモグラフィーに関するワークショップ
パッシブハウスの換気計画
パッシブハウスの補助暖房
暖房と換気の品質保証
模範プロジェクトを用いたPHPP演習
例題プロジェクトまたは独自のプロジェクトを用いたPHPPワークショップ
パッシブハウスのコンポーネントによる断熱改修の実例、ディテール
パッシブハウスの経済性、助成金
パッシブハウス発注図書の作成
パッシブハウスの現場管理および品質保証
住宅用途以外のパッシブハウス
復習および質疑応答
終了試験 (試験日は講習日に含まれず)
前回のメールマガジンでも書きましたが、PHJも近い将来、
同等の講習会を国内で企画したいと考えております。
それを待たずに今すぐにでも渡航して講習を現地で受けたいという方がいらっしゃれば、
PHJにお問い合わせください。
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
2)PHJ会員、省エネ建築診断士は必読の書(理事 松尾和也)
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
前回の省エネ建築診断士の講習の前にも
「何か参考になる書籍等があれば教えてください」
という問い合わせを複数頂いていました。
私は大学時代に熱環境の研究室にいたので、
そのときに使っていた教科書が今でもバイブルとしてありますが、
一般の実務者はそういう本を持ち合わせていないのがほとんどかと思います。
上記の問い合わせがあったときも、
現在入手しやすい本でいい本はないかと探しました。
数冊合わせればかなりのところまで理解できるという本は何冊かありました。
しかしながら、一冊で伝えたいことのほぼ全てを網羅できるような本は
見つけることができませんでした。
ところがつい最近IBEC(建築環境省エネルギー機構)の発行する
「住宅の省エネルギー基準の解説(改訂第3版)」を改めて読んでいると、
「最新建築環境工学(改訂第3版)井上書院から抜粋」というのがありました。
日本の省エネ基準の大本であるこの本が参照にしているとはどんな本だろう?
と興味が沸いたので検索してみたところ、amazonでも買えることが分かりました。
教科書的な本は出版部数も少ない場合や、絶版になっていることも多いので
amazonで買えるだけでも意外でした。
しかも実際に届いた本を見てみると基本的なことが本当に詳しく、分かりやすく、
漏れなく書かれています。
さらにいいことには演習問題までついています。
私が大学時代の熱環境のテストでもこんな問題が出ていたなあと思い起こさせるような内容です。
少なくともこの本に書かれていることがきちんとマスターできていれば
省エネ建築診断士の試験に落ちることはないと思われます。
また一級建築士の環境分野の問題もこの本に書いてあることよりはずっと内容が浅いものが多いので、
この本の内容をマスターしておくことはこれから建築士の試験勉強をする方にとっても有益です。
日本の建築関連の教育機関ではきちんと熱環境を教えないところも多いようです。
また、あったとしても専攻が違った、学生時代はちゃんと勉強していなかった
というような方も多いはずです。
そういう方は、まずはこの本で基本をきちんと抑えて欲しいと思います。
ちなみに、熱環境を専攻している学生さんはこの本に書いてあることは基本としてその上、更に自分の専門分野の研究をしているという感じです。参考までに・・・。
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
5)パッシブハウス・ジャパンからのお知らせ
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
登録省エネ建築診断士をHPで公開しました!
4月22日に行われた省エネ建築診断士の試験に合格され、
パッシブハウスジャパンに登録なされた方々のご氏名を
HP上で公開いたしました。
http://passivehouse-japan.jimdo.com/%E7%99%BB%E9%8C%B2%E7%9C%81%E3%82%A8%E3%83%8D%E5%BB%BA%E7%AF%89%E8%A8%BA%E6%96%AD%E5%A3%AB/
日本各地で、住宅性能の向上の一端を担い大いにご活躍されることを、
パッシブハウスジャパンのスタッフ一同期待しております。
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
6)【賛助会員紹介】
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
ご登録いただいた賛助会員の皆様をご紹介します。
◎新規会員
光輝建設株式会社(工務店)
NPO法人新木造住宅技術研究協議会(特別)
株式会社五感工房(工務店)
株式会社大庄(設計)
HIRO建築設計舎(設計)
<工務店会員>
株式会社HORI建築
株式会社セイズインターナショナル
株式会社アイシーホーム
高橋建築株式会社
株式会社OKUTA
棟晶株式会社
<設計事務所会員>
植田優建築工房
株式会社建築工房わたなべ
株式会社島田材木店 二級建築士事務所
溝口建築設計事務所
都建築設計室
空設計工房
真建築事務所
なちゅらる・さーかす
H2O design associates
株式会社プランニング・ジャパン
空間工房/上岡直樹
<特別会員>
NPO法人木品協
Dotプロジェクト
IG Passivhaus Schweiz(スイスパッシブハウス振興会)
賛助会員へのご興味のある方、詳細はこちらからどうぞ
http://phj.zz.tc/member
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
7)REFRESH!!
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
このコーナーでは、建築業界の話題からは少し外れた、
けれども仕事のアイデアを広げてくれるような、
そんな情報を紹介していきます。
みなさんは先日の月と金星の大接近をご覧になりましたか?
私も西の空を見上げましたが、なかなか星がきれいに見えませんでした。
月の光のせいもあると思いますが、私が生まれた兵庫県よりも今住んでいる鎌倉は夜空が明るく、
星のきらめきがはっきりと見られません。
でももしかしたら、今年の夏至の日と七夕の日の夜8時から10時の間、
星がきれいに見られるかもしれないのです。
環境省が呼びかけている「CO2削減/ライトダウンキャンペーン」をご存じですか?
2003年から毎年、夏至の日と七夕の日の夜8時から10時の間、いろいろなところの照明を消して、
明かりの大切さを再認識しながらCO2も削減しようという取り組みです。
東京タワーや大阪城も過去にこの取り組みに参加し、その時間は真っ暗に。
新宿の歌舞伎町もこの取り組みに参加したらどうなるでしょうか。
見てみたくありませんか?
各家庭でも照明を消して、
家族で星を見上げながらいろいろな話をするのもいいですよね。
決して暗いのが不便だからといってケンカにならないように・・・。
たくさんの施設や企業がこの取り組みに参加したら、
と想像するとわくわくしませんか?
ライトダウンに参加する企業や団体は、
登録するとHPで名前を紹介してもらえます。
エコも目に見えた方が実感できて長続きするもんです。
そして何事も楽しむことが長続きの秘訣ですよね。
まずは今年の夏至、私は鎌倉の星を見上げながらビールを飲むことに決めました。
もちろん部屋の明かりは消して。
そしてこのメールマガジンを読んでくださっているうち
何人の方が私と同じように星空を見上げていらっしゃるかと思いながら・・・。
CO2削減/ライトダウンキャンペーンHP http://coolearthday.jp/
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
―――――――――――――――――――――――――――――――
次回は、2010年6月7日(月)配信予定です。
―――――――――――――――――――――――――――――――
【パッシブハウスジャパンニュースレター】
2010年05月24日発行(0007)
発 行:一般社団法人パッシブハウス・ジャパン
発行人:森みわ
―――――――――――――――――――――――――――――――
〒248-0006
神奈川県鎌倉市小町1-11-11
TEL:0467-39-5031
http://www.passivehouse-japan.org
ご意見・ご要望:
info@passivehouse-japan.org
―――――――――――――――――――――――――――――――
copyrights(C)2010 PASSIVE HOUSE JAPAN All Right Reserved.
―――――――――――――――――――――――――――――――
本メールマガジンの記事を、許可無く転載することを禁じます。