パッシブハウス・ジャパン6周年記念大会事後報告

去る3月4日、6周年記念大会6周年記念、そして第一回目の「エコハウス・アワード2016」が開催されました。当日は、パッシブハウスに関心のあるみなさま約130人の方にお越しいただき、大いに刺激になる1日でした!

目次

パッシブハウス・ジャパン6周年記念大会


総評


パッシブハウス・ジャパン代表 森みわ

パッシブハウス・ジャパン代表
森みわ

2010年2月に設立したパッシブハウス・ジャパンは、この度6歳の誕生日を迎え、5回連続となる東京・浜松町のアジュール竹芝にて記念大会が執り行われました。

建築業界には沢山の“団体”が存在するらしく、その沢山の団体を知る方は必ずと言ってよいほど、PHJの会合について、“とても良い雰囲気で、皆さん楽しそうに交流されているのが他団体と明らかに異なる”と表現して下さいます。

2009年3月にヨーロッパから帰国して以来、私がPHJで貫いてきたポリシーとして、“人の揚げ足を取らない”という事があります。誰かが一生懸命考えて生み出した提案に対して、“あれは違う”と批判をする事はとても簡単且つ社会的に無価値であると私は考えていて、批判するくらいならば代わりに“じゃあこんなのはどう?”と体を張って提案する事に社会的意義があるのだと思っています。ですからいつも、“ギャラリーと評論家はもう沢山、勇気を出してプレイヤーになろう!“ みたいな事を言います。もちろん最初は誰しもがギャラリーに居ます。私が建築も省エネも良く分からなかった頃、何が何だか分からないのでひたすら情報収集をしたり、先輩の仕事を分析したりしていました。その過程で沢山のインプットがあり、いつしか自分なりのアウトプットが始まりました。まだまだ未熟者ですが、習うだけの立場に居座り続けるのは、甘えであり、無責任であると感じます。毎年恒例の海外視察ツアーで、私が実務者の皆さんにヨーロッパの最新事例を見せた後も、”アウトプットの出来ない人にインプットなど要らない“という話をしています。私が皆さんに沢山の事を知ってほしいのは、出来るだけ早くアウトプットを始めて欲しいからです。仮に私と誰かが同じインプットを体験しても、咀嚼方法が異なれば、二人のアウトプットは同じにはならないでしょうが、ベクトルの方向がなんとなく似通っていれば、当面一緒に協力しあえる(野党連合みたいな関係?)、そう信じています。そんな気持ちで毎年3月の記念大会の内容を考えています。

ここで6周年大会の内容を全てご報告する事は出来ませんが、基調講演を引き受けてくださった宿谷先生、そしてエコハウスアワードのゲスト審査員としてお越し頂いた島原万丈さん、竹内昌義さんのお蔭で、大変豪華なイベントを執り行う事が出来ました。

今回初めて企画された前夜祭では、年間暖房負荷30kWh/m2a前後のお寺の空間を体験して頂けた事が有意義であったと感じています。東大の前先生は最新のサーモカメラを持って登場されましたが、“鉄骨造なのにヒートブリッジらしきものが見当たらない!”と、かなりガッカリされていました(笑)。木造戸建て住宅に関してはこれからいやおう無しに外皮強化が進みそうな予感がする中、集合住宅や非住宅における外皮強化は置いてきぼり状態。そこには防火や非木造といった温熱的に不利な条件が立ちはだかるだけでなく、建物の使用者と施主が同一では無いことによって、エネルギー効率や快適性が過小評価されるという問題が顕著です。しかしながら、外皮強化と構造の安全性、そして防火性能の担保が三つ巴となってバランスを取るような、そんな建築がもうすぐ実現する予感がしています。

4月からの工務店会員の年会費見直しにより、現在沢山の新規入会のお問い合わせを頂いております。来年の7周年記念大会では、また沢山の新しい仲間との出会いがあるでしょう。

ベクトルの方向がなんとなく似通っていれば、PHJ野党連合お入り頂けますので是非(笑)


パッシブハウス・ジャパン理事 松尾和也

パッシブハウス・ジャパン理事
松尾和也

私がドイツで第一回目のパッシブハウスツアーに参加したのが7年ほど前のことでした。その帰り際に森さんが今のパッシブハウス・ジャパンのような団体を作りたいんだけど・・・

とバスの中で言いました。その際私が「日本でできることは手伝いますよ」といって始まったのがたった数年であそこまでの人と企業を巻き込む団体になったことは感慨深いものがありました。昨年でも参加者数はかなり多かったのですが、それ以上に組織としての自立性が育ってきたことが何よりも嬉しく思いました。上意下達にすると皆さんが楽な反面自由度が失われたり、息苦しさが出てきたりもしやすくなります。逆にフラットな組織にすると、自由度やフランクな関係は保ちやすいですが、自ら動く必要は出てきます。

各支部も成立して、勉強会も開催されるようになり、実行委員長の坂本さんを中心に森、松尾が動かなくても皆さんが自分から動いてあれだけのイベントを動かせる団体は他にはなかなかないと思っています。

人、物、金という言葉が昔からよく使われます。人はお金があるところにも集まりますが、それ以上に人を惹きつけるのは「楽しそうな雰囲気」だと思います。この楽しそうな雰囲気で人が集まり、さらに、各自が自ら各地で研鑽を重ねた結果を交換し合える・・・これがPHJの魅力ではないかと思っています。

今回の総会ではパッシブハウス認定の詳細な解説もなされました。これから申請を出そうとする人にとっても、申請が集中して大変な森さんにとってもあれだけ詳細な解説がなされたことは非常に大きな意義があったと感じています。日本は何でも簡略化の方向で行こうとするのに対し、全く逆に「そこまで執拗にやるのか?」というドイツ魂のようなものを感じずにはいられませんでした。

最後になりますが、ご参加くださった皆様、ご協力いただいた皆様に心から感謝申し上げます。


当日の様子

6周年記念大会 当日の様子
続きはGoogle フォトでご覧になれます



次回開催予定

パッシブハウスジャパン第7回記念大会

日時: 2017年3月17日(金)
詳細が決定しましたら、本サイトおよびメールマガジンにて告知いたします。

【告知】北陸支部|第1回勉強会 4月13日「北陸における床下・壁内・設備の課題」

北陸支部 勉強会 vol.1

定員に達しましたので、お申し込みは終了しました。

北陸における床下・壁内・設備の課題

講師:(有)オーブルデザイン 浅間英樹氏

省エネのトレンドである床下エアコン暖房ですが、施工70棟を超える実績の中での問題点や失敗例、カビなどの問題も交え、より効率的な施工方法に付いてお話頂きます。又、R-2000の断熱改修に当たり、25年後の高気密高断熱住宅の壁内の環境などを見ることにより、今後の施工についての確認にもなるような事例としての勉強会となります。

基本情報

開催日:2016年4月13日 14:00〜17:00
場所:上野住宅建材(株)R2000+モデルハウス(新潟県見附市今町6-28-31) access
参加費:PHJ会員/無料、省エネ建築診断士/1,000円、一般/2,000円
懇親会:16:00〜17:00(参加費1,000円)

講師プロフィール

浅間英樹

新潟県三条市にて 「緑の家」(有)オーブルデザインを主宰。
(一級建築士 工学博士)

自然素材を多用した高気密高断熱住宅で床下エアコン暖房の実績70棟以上。
快適な住環境造りとメンテナンスのし易さを考えた住宅を目指して日々研鑚。
ホームページ、ブログで情報発信しフォロア―も多数

【告知】関東支部|第2回勉強会 4月15日「省エネマニアのための構造設計セミナー」

関東支部 勉強会 vol.2

省エネマニアのための構造設計セミナー

〜太陽と風に素直な空間の構造的盲点を知る〜

講師:佐藤実

近年ハイレベルの高気密高断熱住宅が増えています。室内の温熱環境が改善されていくと設計の自由度も上がり吹き抜けや勾配天井、スキップフロアー等が多くなっているように感じられます。構造・温熱設計は今後の住宅作りでは絶対必要な知識だと思います。

設計者は自分できちんと計算できなくても両方とも基礎知識だけは覚えておかなければなりません。私たちパッシブハウス・ジャパンのメンバーは温熱に走りすぎて構造をおろそかにし無いように勉強が必要かと思いました。高断熱で快適な建物をめざし安全な建物を作るために勉強してしていきたいと思います。

基本情報

開催日:2016年4月15日 10:00〜17:00
場所:明治薬科大学 剛堂会館ビル会館 会議室(東京都千代田区紀尾井町3−27)access
参加費:PHJ会員/5,000円、省エネ建築診断士/7,000円、一般/10,000円
懇親会:17:30〜19:30(参加費5,000円予定)

お申し込み

パッシブハウス・ジャパン関東支部(MAIL:phj@ta-k.jp)に、E-MAILにて下記情報をお送りください。
・貴社名
・賛助会員 or 省エネ建築診断士 or 一般
・参加者名
・ご連絡先(TEL & E-MAIL)
・参加人数(勉強会 & 懇親会)

講師プロフィール

佐藤実

株式会社M’s(エムズ)構造設計 代表取締役社長
株式会社ソイルペディア 代表取締役社長
「構造塾」塾長

東京事務所:東京都中央区八重洲一丁目8-17 新槇町ビル6F
新潟本社:新潟県新潟市中央区西堀通799番地 西堀カメリア902号室

1968年新潟県五泉市(旧村松町)生まれ、新潟市在住。
一級建築士、構造設計一級建築士
1990年東北工業大学卒業、㈱佐藤住建を経て、現在㈱M’s(エムズ)構造設計代表取締役
2010年東京大学大学院修了
2010年「構造塾」設立。構造計算に関する研修、セミナーを各地で開催
専門は木質構造建築物の構造設計・構造計算、地盤判定

著書:最高に楽しい木構造入門 (エクスナレッジムック)2012/8/28
佐藤 実:楽しく分かる! 木構造入門 (エクスナレッジムック)2015/3/28