メールマガジン 2017年1月号コラム

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パッシブハウス・ジャパン代表理事 森みわ

脱ガラパゴスを目指して

パッシブハウス・ジャパン代表理事 森みわ

新年あけましておめでとうございます。

皆さんにとって2016年はどのような1年でしたでしょうか?
新しい事が始まった、節目の1年でしたか?
それとも、現状維持ができた無難な1年でしたか?

私にとっての2016年は、その両方な気がしています。
節目であり、且つ無難であった1年。

通例からの脱却。”シェイシェイではなく”シエシエ”

お恥ずかしながら私は、昨年になって生まれて初めて、中国とインドいう二つの大国を肌で感じる機会を得ました。学生時代は海外旅行のお金が無かったし、20代はヨーロッパ漬け、30代は子育てと仕事の両立に翻弄していたこともあり、観光でアジアに行くというチャンスが無くて。今回も国際カンファレンスでの発表が渡航のきっかけでしたが、何が一番衝撃的だったかと言うと、インドはまあ想定の範囲内だったのに対して、中国での体験。それは中国語の“ありがとう“の発音は”シェイシェイ“では無かった、という発見なのです。正確には”シエシエ”でした。どっちでも良いと思われる方もおられるでしょうが、音として違いすぎます。どの言語でも“こんにちは“の次ぐらいに重要な”ありがとう“の表現を、それが隣国のものであっても適当なカタカナ和製英語で済ませてしまう日本という国の、外国語に対する無頓着を再認識せずにはいられませんでした。日本は今、いろいろな方面でこれまでの通例からの脱却、というか転換(シフト)が迫られている中、まず初めに目指すべきは”脱ガラパゴス”でしょう。きっとそれで多くの問題が同時解決しそうではありませんか?

7周年のPHJ

さて、今年で設立7年目に突入するPHJですが、歳を重ねるにつれ、次の“仕掛け“を生み落とすことと同様に、これまでの活動を引き続き育むことの難しさ、そして重要さを感じます。当たり前ではありますが、“続けていける“ということは、“失速しなかった“ということ。”無難“をポジティブに捉えなくては、とも感じる今日この頃。

引き続き育む2017

昨年生み落としたエコハウスアワードは今年も継続いたします。支部勉強会も3年目に突入、診断士セミナーも継続ですが、今年は都道府県の行政からの開催要請も頂き、省エネ建築設計の底上げのニーズを感じます。

“仕掛け“を生み落とす2017

今年の新たな仕掛けとしては、PHPPバージョン9の日本語版の完成があり、3月17日の記念大会で皆さんにお披露目出来ることを目標に、目下翻訳業務を進めています。そして8月末には東京で第二回パッシブハウス・アジア・カンファレンスを計画しています。“パッシブハウス“というキーワードで、アジア諸国の省エネ建築フリーク達が集い、繋がっていく事が出来たら、どんなに素晴らしいことでしょうか?日本の政治(及び国民の関心)はアメリカの方ばかり向いている、と良く言われますが、私はヨーロッパから学び、アジアの方を向いて、自身のライフワークを成り立たせたいと願っていました。その願いを実現するために、今年もアクションを起こしていきたいと思います。

年賀状代わりのユニセフ募金

最後に、今年もPHJメールマガジンをご購読頂いている皆様への年賀状の代わりとして、購読者5,262人x100円の年賀状経費=526、200円を、ユニセフ協会に募金させて頂きました。省エネ運動は、貧困撲滅運動です。家づくりに挑むお施主さんだけでなく、実務者の私達もそれを認識して日々の業務に取り組んでいきたいと思います。毎年恒例の年賀状募金を可能にしてくださった、PHJ賛助会員の皆様の日頃からのご支援に熱く御礼申します。

皆さんにとって2017年が節目の年であり且つ無難な年となりますことを、
PHJ事務局一同心よりお祈り申し上げます!

パッシブハウス・ジャパン理事 松尾和也

「絶対に正しい」ことは迅速に着実にやっていく・・・それが日本の改善点

パッシブハウス・ジャパン理事 松尾和也

「絶対」という言葉を軽々しく使うのはあまり好きではありません。ただし、世の中には絶対に正しいことというのもあると思っています。「盗みをしてはならない」みたいなことはその典型例ですが、もう少し軽い例で行くと「必要ない時の照明器具は消しておく」みたいなことが挙げられます。しかしながら、世の中それほど単純なことばかりではありません。経済のことをあげれば専門家の間でも「円安がいい」という人から「円高がいい」という人まで百花繚乱状態です。

絶対に正しいこと

私は経済関係の本もよく読むのですが、経済関係の本は規模が大きすぎる。複雑な要因が多すぎる。また自分の専門分野ではないことからどうしても「これが絶対に正しい」ということに当たることは少ないものです。しかしながら、ここ数年でそんな中でも希少な「絶対に正しい」と思えることが何点か出てきました。

それはありきたりですが、
・人口が減らないような努力をすること。言い換えれば子どもを産みやすい世の中にする
・地域内でお金、仕事が回る比率を増やさなければならない。

その手段として
・自然エネルギー比率をどんどん増やさなければならない
・既存住宅、既存ビルの高断熱改修をどんどんやっていかなければならない
ということです。

継続してできることをする

村上敦さんがよく「毎年できる項目でないと年率2%以上の省エネを20年以上持続して続けることなどできない」とおっしゃっています。確かにそのとおりでクールビズとか、マイ箸みたいなことは悪くないのですが、毎年減らし続けることは不可能です。

その際、効いてくるのは自然エネルギーの増加、既存建物の高断熱化です。膨大な数があり、しかも金額、規模ともに大きいのでむしろ短期間で急激に改善することができず、毎年地道に2%ずつ減らしたりするのに向いています。しかも、東京や海外に資金が流れることなく、地元にお金が廻ります。

絶対に正しいことに、日本は取り組んでいるか?

ものすごく大きなまとめになりますが、個人でも、家族でも、企業でも国家でもまず最初に重要なのは「自立」ということだと思います。その対極にあるのが「もたれる」ということだと思います。だからといって、トランプ大統領のような自分さえ良ければ良いというのではなく、まずそれぞれの規模の集団においてしっかり自立する。それが出来た上で自立した集団同志が、より豊かになるために交流する。この辺りまでは自分の中で「絶対に正しい」と思えるようになってきました。

しかしながら、今の日本の状況を見ていると、この絶対正しいことを政府が真剣に、迅速にやろうとしていない・・・。場合によっては邪魔をすることすら見受けられます。ドイツを見ているとこういった絶対に正しいことを着実に迅速にすすめています。この差はこの先の豊かさの差となってさらに大きく現れてくることと思います。お上の文句ばかり言っても仕方がないので、自分ができることを最大化しながら着々とやっていきたいと思っています。