メールマガジン 2016年12月号コラム

パッシブハウス・ジャパンでは月に一度メールマガジンを発行しております。

代表理事 森と 理事 松尾のコラムを読むことができる他、セミナー開催や建もの燃費ナビ関連のお知らせ等は主にメールマガジンで発信しております。購読ご希望の方は以下のリンクよりご登録ください。

http://passivehouse-japan.org/newsletter/

パッシブハウス・ジャパン代表理事 森みわ

PHJ7周年記念大会にぜひご参加ください!

パッシブハウス・ジャパン代表理事 森みわ

さあ今年も残すところひと月となりました。今年は残念ながら地震が多い年だった事に加え、11月に関東で雪が降るなど、異常気象を裏付ける出来事もありました。そしてトランプ大統領誕生を受けて、アメリカのTPP離脱や、パリ協定の脱退の可能性など、行き先不透明な国際情勢です。
※コラムの最後には7周年記念大会のお知らせ、あります!

現実に目を向けること

しかしながら、選挙当日までトランプ大統領誕生の可能性を信じたくなかった人というのは、実在する貧富の格差の事実に目を瞑ろうとした人達ではないでしょうか?貧富の格差に目を瞑ること、それは弱者を切り捨てる思想にほかならず、それは必ず治安悪化や暴動を招き、最悪の場合はテロや内戦に発展するのだと思います。

私は今年の9月下旬に、シカゴのエンジニア達と直接話をしましたが、その時点でかなり深刻な状況だ(トランプ大統領が生まれる可能性が高い)と話してくれました。一方の日本人は、恐らくアメリカと日本のメディアの情報操作にすっかり騙されてしまった感があります。もしも本当にそうなる可能性があると分かっていたら、イギリスのBrexitの時のように、ヤケクソで投票したアメリカの有権者数も少しは減ったのかもしれません。

世界に情報源を求める

日本の場合、いまだにお茶の間のテレビや大手メディアのウェブ発信が情報の全てだと思い込んでいる人が大半です。今は折角小学校から英語教育をやっているのですから、数年後の若者たちが必要な情報を自力で世界中のソースから収集&分析し、持論を確立出来るようになることを祈ってやみません。

そうでなければ、和を重んじる無知な国民が、国家の暴走に加担する事になりかねないと思います。私達パッシブハウス・ジャパンは微力ながらも粛々と、パッシブハウスというキーワードでアジア諸国との連携を強めていきたく。日本の将来の平和と安全のためには、それが至極自然な発想ではないでしょうか?

パッシブハウス・ジャパン7周年記念大会

さて、前置きが長くなってしまい申し訳ありません。

今月のメルマガは、例年通り来年3月17日のパッシブハウス・ジャパン7周年記念大会のご案内です!

今年もエコハウス・アワードを開催し、全国に2000人以上いらっしゃる省エネ建築診断士さんから実物件のエントリーをお待ちしておりますので、我こそは!という方是非ご応募ください。

“イメージのエコ“は論外、ということで(笑)、公平な審査のため、燃費ナビの計算結果は必ず提出して頂きますので、計算が不安な方は、入力代行サービス等もご利用いただき、ご自慢のエコハウスを是非PHJウェブサイトで発表して頂きたく。日々の業務に追われている皆さんのために、今年はなんと図面のリライトサービスまでご用意いたしましたので、詳しくは特設サイトをご覧ください。

また、今年はオプショナルツアーとして、3月16日に富山県黒部市のパッシブタウンの視察を企画いたします。125世帯(第1~第3期街区合計)からなる樹脂窓&外断熱の集合住宅群と、宮城俊作氏によるランドスケープデザインは圧巻!

目標は北陸新幹線の1車両貸切(90名)ですので、こちらもふるってご参加ください。

パッシブハウス・ジャパン理事 松尾和也

結果が出るところまで追いかけていない実務者がほとんど

パッシブハウス・ジャパン理事 松尾和也

みなさんに今一度、自問自答してほしいことがあります。お客様の期待に応えていますか?お客様に感動を与えていますか?基準をクリアすることが目的になっていませんか?結果にコミットできていますか?

お客様が求めていることと業者の自己満足の乖離

ここ2年くらい工務店さんを対象にした設計セミナーを数百社に対して実施しました。その結果見えてきたことを日経ホームビルダー連載の最終回にまとめました。それに追記する内容です。

次世代基準は論外として、G1,G2といった新しい基準が出てきています。それよりもっと真面目な業者はC値の改善にも取り組み始めています。ここまでは当たり前の話です。

そこで「では家全体を温める、もしくは涼しくするためにどのような暖房計画、冷房計画をなされてますか?」と聞くと、突然トーンダウンします。

多い解答が

「エアコンの設置はお客様に任せています」

「LDKに1台だけ最初から、もうちょっとやる場合は主寝室にもエアコンを設置しています。最初からそれ以上やることは少ないですね」

というような回答です。それにプラスして

「ではその暖房、冷房のそれぞれの適切な使い方をきちんと説明していますか?」となるとほぼ100%に近い確率で「それはやってません」という答えが帰ってきます。

ここでお客様が求めていることと業者の自己満足の乖離がはっきりと見て取れます。お客様は「冬暖かく、夏涼しい住宅を安い光熱費で実現したい」ということが最終目的であって決して「G2グレードにしてほしい」ことが最終目的ではないのです。

ところが実際には業者は「G2までやってるんだからこれ以上はないだろう」といった慢心が芽生えてしまっている方がほとんどです。この状態ですと、お客様に感動を与えることができません。よって感謝の気持ちも生まれません。感動、感謝がなければ次のお客様の紹介も当然ありません。

お客様のためだけでなく、自社のためにも

また工務店及び担当者も「本当に暖かくてしかも安いんです!!ありがとうございました!!」と言われるかどうかは会社の雰囲気に大きく関わってきます。結果まできっちりフォローすることはお客様のためであることはもちろんですが、自社のためでもあるのです。ベタな話ではありますが、ライザップが他の大多数のスポーツジムと一線を画することができたのはまさに「結果にコミットする」ことが実際に出来ていることが口コミで伝染したからです。

しかしながら、断熱、気密、一次エネルギーの削減といったどこの会社も取り組んでいる項目に比べて、適切な暖房計画、冷房計画、運転方法を様々なプラン、住まい方がある中でイニシャルコスト、ランニングコストを抑えながらムラ無く効かせるようにするのは非常に難易度があがります。最新号の新建ハウジングプラス+ONEにもそのあたりのことを書きましたが、各社の基本性能が上がってきた現状において、差がつくのはこのあたりに移行しつつあるといえます。もちろんもう一つは設計力とデザインであることも間違いありませんが・・・